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私のイラスト(FFとか、BLEACH、Pandora Heartsが主)や 歌詞(アニソン)もがんがん貼っていきたいと思いますww
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というわけで、これで3話が終わったわけですが、いかがだったでしょうか。

次回は、もう見たとおりにアマリリスの家である秘密結社に遊びにいっちゃいますよ!!

で、今回は、アマリリスの正体がわかったわけですが、
別に以外でもなんでもなかったというのがもう。本当に自分の力のなさを感じます。
出会ったときから、何かの品格をムンムンさせてましたからね。

次は、何をしでかしてやろうか。

考え中です。

とにかく、過去のアマリリスも出てきたことだし、それがいったい次の話にどうやって生かせていけるかが
今後の課題ですかね。
あれを入れた理由は本当に悲しい理由で、
『もう書くことに行き詰っちゃったから、昔のことでも入れてページの埋め合わせをしてみようかな。』
程度なんですよ。

この第3話が一番手間取りました。はい。

では、次回また会いましょうか。さようならっ。

                                          せんな
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もうすぐで、夏休みがやってくる。
高校生活最初の夏休み。

アマリリスは、先ほどみんなに見せた、頼からの手紙をもう一度広げて、
目で読んでみる。

でも、アマリリスが先ほどから読んでいるのは、上のほうではなく、下のほうだった。
その下のほうに書いてある文章は、パソコンで書かれている文字とは違う、
手書きの文章。

『親愛なるアマリリスへ
この間はご苦労様でした。
そういえば、日本ではもうそろそろ、夏の休暇に入るそうだね。
この間、後ろにいた4人と一緒に
久しぶりに秘密結社に帰ってきてみないか?
ちょうど、こっちではシーズンがきてるんだ。
今年も一緒に踊れるといいね。』

アマリリスは、もうこの文章だけでも100回は読んでいるに違いない
というぐらいに目を高速で動かして読んでいる。

ちなみに、このシーズンというのは、舞踏会のシーズンという意味である。

そして、その手紙に同封されていたのは、飛行機の席のチケットと、ここに向かうまでの地図。
アマリリスには必要ないが、きっとこれは他の人用だろう。

『頼さんありがとう・・・!!』
アマリリスの心はお花畑である。

『早速みんなに予定を聞いてみなくては。』

そういって足早にアマリリスは自分の机を立ち、美香のほうへ行く。

『美香、夏休みヒマか?ついでに乃香も。』
『え?なんで?』
美香は、いつもの早弁をしながら、アマリリスのほうをむいた。

『頼さんが…っ!!頼さんが、秘密結社にご招待してくださっているのだ…っ!!』
アマリリスの、ものすごくうれしそうな顔を見て、美香は、うん。と言わざるを得なかった。

そして、桜も、同じような状況に陥り、美香のテレパシーで、そのことを知った乃香がリサに聞き、
また乃香から美香に返事が返ってきたところで、みんなが
暇人だったと言うことがよくわかった。

『では、夏休みの初日から秘密結社に遊びに行くから、準備をしておけよっ!!』

アマリリスは、本当に上機嫌で、いつもならしないはずのスキップまでして、
自分の席に着いた。

『本当に、乙女になっちゃって…。』
『はは…。』

                           双子の日常!!3 完っっ★☆★
ベンジーと頼が帰ってから2日後。

月曜日。
また、新たな一週間が始まる。

『おはよー。』
『おーす。』
『おはよーですぅ。』
『おはよう。』
『おはようございます。』

なぜか、校門前で五人が一緒になるという、漫画的なパターンの謎は置いておいて。

『この間は、本当にご苦労様ですぅ。』
『ああ。あの後に、頼さんから、別の手紙が届いた。』
『どんな?』
『これだ。』

アマリリスは、その届いたと言う、高級そうな紙に書かれた手紙を、ぱっと広げる。
その内容とは

『アマリリス・キャルロン・リリー武器管理隊隊長及び、幹部補佐様。

今までの今までの違反行為は、都合上仕方がなかったこととして処理することとなりました。
これからも、『脳を共有する双子』の監視等をよろしくお願いします。

そして、機関のものとの交流や、共に行動していたことについては、
そのものが、その機関から追放されていたことがわかりましたので
我が秘密結社の力となるようならば、これからも共に行動する様にとその者に伝えておいてください。

そして、対象外である『魔法使い』の保護についても、『脳を共有する双子』と共に
保護できるようであれば、保護のほうをよろしくお願いします。

     A・D幹部 切舟 頼』

『本当ですかぁ?!私もなんですか?!』
『私たちのことは、あまりかかれてないのね?』
『だな。』
『私も保護の対象ですか…。』

『まあ、そういうことだ。これからも迷惑をかけると思うが、よろしくな。』
アマリリスは、その紙を、くるくると丸めながら言った。

みんなが、縦に首を振ったのを確認すると、アマリリスはみんなを引き連れて
校内へと入っていった。

パァンっ
カキンッ


金属音が、グラウンドにこだまする。

『44MAGか…。シャドウが昔愛用していたタイプの。』
『はい。名前がわからなかったんで、探すのに苦労しました。』

『ふん。ご苦労なことだ。』

そういって、アマリリスは大太刀を振りかざしてベンジーのほうに向かっていく。
それに対抗して、ベンジーもアマリリスに向かって何発か撃つが、見事にすべてかわされる。
そして、アマリリスの大太刀が振り上げられ・・・

ボスッ
という鈍い音と共に、ベンジーの銃は土の上に落ちていった。

『刀と銃なら、普通は銃のほうが勝つんだがな。まだ経験不足なんだろう。
もっと戦いの経験をつめば、強くなるはずだ。』
『…ありがとうございました。』

アマリリスは、地面からベンジーの銃を拾うと、ベンジーに手渡す。

これで、すべての戦いが終わった。


『今まで、なんだか色々とありがとうございました。楽しかったです。』
『ああ。また会えるといいな。気をつけて帰れよ。』
『はい。』

そう言いながら、ベンジーは帰りの支度を始める。

『では、僕も結果報告しないといけないから、そろそろ帰るよ。久しぶりに会えてよかった。
昔のことを思い出したよ。』

頼も、さっさと荷物をまとめて帰ろうとしている。

『あの、頼さん…。』

アマリリスは、荷物を持って、学校から出て行こうとしている頼を引き止めた。

『ん?何?』
『今度、行けたらでいいんですけど…。あの、一緒に二人で依頼受けられませんか?
あの、最後の依頼から、一回も一緒に行った事がなかったので…。』

アマリリスは、顔を赤らめていった。

それを見た頼は、微笑むと、アマリリスの頭を軽くなでていった。

『そうだね。そういえばまだ一緒に行ったことなかったよね。
二人とも、結構上の立場になっちゃったから、行くのは難しいかもしれないけど、
いければ。』
『…はい!!!!』


『青春ですわね~。』
『青春だね~。』
『青春ですぅ~。』
『青春だぜ~。』

後ろにいる、お気楽メンバーは、その状況をにまにましながら、見守っている。

『じゃあ、また会える日まで。』
『秘密結社内であったら、声かけますね!!』

別れの声をかける二人に、こくんとアマリリスが頷くと、
二人は学校の門からすっと出て行った。
『あう~。やっぱり、武器管理の隊長に、私なんかが勝てるわけなかったです~。
だって、私、武器の正式名称なんかまったく知らないんですもん。
銃は、どんな大きさとかでも銃ですし。』

『本当に、自分の使ってる奴の正式名称も知らないんだな…。』

結果は、やはり、アマリリスの圧勝だった。
ベンジーは、本当に何も知らなかったらしい。

『御見それしました~。』
『ふん。まあ、最初から、負けるとは思ってなかったからな。
それよりも、このゲームで、私の勝ちが確定したわけだが、次も、やるのか?』

次は、戦闘である。

『そうですね…。どうします?』

ベンジーは、腕を組んでアマリリスにたずねた。


『私は別にいい。まあ、これでお前は帰るわけだが、帰ったら隊長と手合わせすることもなくなると思うから
一度やってみてもいいと思うが。暇つぶしにもちょうどいい。』
『じゃ、じゃあよろしくお願いします!!』
『ああ。結果などは、私からシャドウの奴に伝えておいてやろう。』
『ありがとうございます!!』

ベンジーは深々と頭を下げた。

『この数日間、ずっと自分の後ろをついてくる気配がなくなって、シャドウも、犯人を確信したと思うがな。』
『きゃぁぁぁぁっっ!!そんなひどいことを言わないでください!!』
『ふん。ではいいか?始めるぞ。』
『はい。』



ルールは、武器はいくつでも使用可。
自分から白旗をあげるか、倒れたら、ゲーム終了。

そして、二人は武器を構える。

アマリリスはいつもの、大太刀。
ベンジーは、銃を構える。
そして、頼が二人の間へ歩み寄ってきて、始まりのスタートの合図をした。

第4回戦、戦闘。

スタートッ

その後、秘密結社の服を見につけたアマリリスは、頼と共に秘密結社へと帰っていった。
ちなみに、そのターゲットの女の子は、しっかり隊員のうちの一人を護衛につけておいてきたという。

ある日、隊長と副隊長のこれからの行動について話し合った直後、
二人のもとに、一枚の手紙が届いた。

『重要な話を、ただいまから会議室で、上官二人に話をします。
隊長、副隊長二人そろって、3階にある第1会議室まで来てください。』

高級な紙にそう綴られた紙を見て、アマリリスは、なんだかいやな予感がした。

会議室に着いた二人は、戦闘隊と書かれたテーブルの横に二人並んで座る。
そして、次々に入ってくる人を見やって、
『何が始まるんだろう。』
などと、話していると…。

『ただいまから、会議を始めます。』
そういって、当時の幹部である、フェリオネル・マージュリーが一番前に立った。
いつもなら、長が立つはずなのに、今日はなぜか幹部である。

『えー、今朝、残念なことに秘密結社長がお亡くなりになりました…。』
周りがざわめく。
『なので、ただいまから、新しく各隊の隊長、副隊長、幹部を決めなおしていきたいと
思い、皆様には集まっていただきました。
そして、今日から秘密結社の長となりました、フェリオネル・マージュリーです。
よろしくお願いいたします。』

意識が遠のいた。

――ということは、もう、頼さんと一緒にミッションに行けないということ――

それがわかったアマリリスは、心底、暗い気持ちになった。


しばらく、誰がどこの隊への移動をするかが話し合われ、まず
記憶力のよさから、アマリリスが武器長となり、
頼が幹部となった。

そして、戦闘隊長には頼の妹である、切舟美波が。
副長には、新しく上がってきた、香山港が。

研究隊隊長には、いままで副長だった、ロムナス・ジニーが。
副長には、ぐるぐるめがねのリャオ・シェンが。

司令塔隊隊長には、わずかながらも10歳でここまで上り詰めた、ラム・ゴールドが。
その副長には、しっかりとしたサポート役を。ということで、姉御肌のマリア・ローズが。

裏切り抹殺隊には、昔から副長だったシャドウ・クローネが繰り上げられて隊長となり、
副長には、豹だが、人語が話せる、二股の尾を持つ、ライルがなった。

回復隊隊長には、昔から能力に長けていたマルチ・ジョリーがなり、
副隊長には、昔、他の機関に入っていたという、メイ・リンがなった。

そして、アマリリスの部下である、武器管理副長には、
戦闘隊副長となった、香山港の弟の、香山海がなった。



『よろしくな。』
『よろしくお願いします。』

この一言だけを交わし、新しく席に着いた一同は、前に立つマージュリーを見る。
そして、その横に立つ頼を見て、また視線をマージュリーに戻した。


もう、これで、頼さんとは会えない。
そう思っただけで、悲しくなる。
まだ一度も二人でミッションに出かけたことがなかった。
昔の長が死んでしまったことよりも、そちらのほうがよほど悲しかった。

そして、今の隊長の中から、幹部補佐を出すことが決まる。
今まではそういう制度はなかったが、今回から導入されるらしい。
そうと決まったアマリリスは、思いっきりよく手を上げた。
少しでも、頼を助けられるのなら、このぐらいの仕事はすべてこなしてやろう。
そう、思ったからだ。

案の定、頼の指名も元々アマリリスだったようで、簡単に幹部補佐が決められた。
幹部補佐の仕事が何かは知らないが、まあ、何とかなるだろう。
そう思ったが、本当はそんなに甘くはなかった。

 

2年後。
初めての幹部補佐としての仕事が舞い降りた。
『はい、これ。がんばってね。』
そういって、手渡されたよりの封筒から、仕事内容の書いた紙を取り出した。

内容は日本にいる、脳を共有する双子の警護に当たってほしいとのことだった。
思った以上に簡単そうだったが、実はそうでもないらしい。

『双子のアビリティ能力者は、世界で初めてなんだ。
だから、機関のやつらが、二人を狙ってくるかもしれない。
だけど、二人だから、守る力も必要になってくるんだって。
さらにこのアビリティは、いくら昔の情報を探しても、掲載されていないらしい。
まったく新しい能力だそうだ。だから、この能力がどのような能力なのか調べて、
僕のほうに連絡して教えてくれ。できるか?』

頼は、手短に今回の以来の難しさ、重要さを語った。

『できるか?じゃなくて、やるんですよ。…がんばってきます。』
『ん。本当に心強いね。がんばってね。』
『はい。』

アマリリスは、勢いよく返事をした。

『今回のターゲットは、日本のここ。ここにいるようだ。
昔から、そんな気配はあったらしいが、能力が周りに影響をまったく及ぼさないため、
今まで詳しい消息がわからなかったらしい。
で、ここ最近の二人の能力の力が増大しているらしい。
もしかすると、二人の間で起こった何かの記憶の電波の容量がオーバーし、
世界の崩壊にまで及ぶ、大爆発にまで発展するかもしれない。
本当に、気をつけて。』

頼は、アマリリスの手にしっかりと封筒を握らせると、正面玄関に送りだした。


そして、今に至る。
『そんなこともあったな。』
アマリリスはしみじみと言った。

『なにかいいました?』
隣にいたベンジーが聞き返す。
『いいや。何も。にしても、暢気なものだな。あの二人は。』

そういって、アマリリスは体育館の後ろのほうで遊んでいる二人を見やった。
二人を見ていると、本当に世界の崩壊など起きるのか?とも思ってくるが、
頼が言ったことなので、アマリリスは信じる。

『じゃあ、ゲームを始めようか。』

アマリリスはドアを思いっきり大きく開け放った。



『お帰り。お手柄だったね、アマリリス。』
目を開けたときに目の前にいたのは、自分の隊長、頼だった。

『きみは、どうやら一人で飛び出して、時間のねじれに閉じ込められたらしい。』
『それより、どうしてここに?』
アマリリスは、一番疑問に思っていることをきいた。

『ん。それは愚問だよ。時間のねじれが出てくるのは、アビリティの能力者が自分の力を
フルに活用、または乱用した場合。
僕たちが存在する理由は何?この時間のねじれをなるべく抑えて、
周りに被害が出るのを防ぐためだよ。』
『あ…。』

『この時間のねじれでは、ねじれの中の歴史は、そのアビリティを使った本人の意志によって動かされる。
きっと、今ねじれの中で、不思議なものでも見てきたんだろ?
そういう顔をしてるよ。顔が凍りついている。』
すると、頼はアマリリスの顔をむにっと引っ張って、笑った。
それにつられてアマリリスも笑う。

『にしても、今回の人はやさしい人でよかったね。悪い人だと、
一生ここから出してくれない人もいたりするからね。
今回、アマリリスのことを、秘密結社の人間だとわかっていて、
少し遊ぶためだけに自分の家に連れて行った・・・ってぐらいかな。
まあ、それだと人攫いなんだけどね。』

頼は、ははっと笑うと、アマリリスの頭をなでる。

『この間はごめんね、もう一人で置いて行ったりしないから。
僕たちは、隊長と副隊長だ。一緒に行こう。』
『頼さん…。』

アマリリスは、泣く。
だが、アマリリスの長い髪で、その泣いている顔は、頼だけにしか見えなかった。

『それにしてもさ、』
と頼。

『今日の女の子は、粋な計らいをしてくれるよね。』
『え?』
頼は、アマリリスの下を指す。
すると――

『なっ、これはっ!!??あのヨーロッパの豪邸の時に、着せられそうになった服!?』
『アマリリスってさ、黒も似合うけど、ピンクもすごくかわいいよね。本当に。』
『うっ…。でも、ピンクは、嫌い…。』

『嫌いでも、本当にかわいいから。このまま他の隊員のところに行ってごらん。
みんな褒めてくれるから。』

『いやですっ!!!』



その日から、アマリリスの一番好きな色は、自分の尊敬する隊長が褒めてくれた色の
ピンク色へと変わった。
『いつも、近くにあるもの…?私の?知識、記憶、人間?何がなんだかさっぱりわからぬ。』

しかし、アマリリスは、もう答えの鍵を言っていた。
知識だ。
この状況は、アマリリスの知識で何とかできるものであった。

『ん…?また紙が落ちている。』
アマリリスはその紙を拾うと、読む。

『今あなたは、答えを言った。もう一度先ほどの言葉を思い出せ。』

『だれか…いるのか?』
アマリリスは、また辺りを見回すが何もない。
しかしきっと、自分でヒントを見つけると、今のように紙で次へのメッセージが
贈られてくることになっているのだろう。

『記憶か?』

『NO』

『私の周りにいる隊員のことか?』

『NO』

『では…私の知識、経験から、その答えが見つかると言うのか?』

『YES。でも、記憶もあながち間違えでもないかもしれない。』



アマリリスは頼と最後にあったときのことを反射的に思い出していた。

『アマリリス、ここからは、君には危険だ。下がっていなさい。』
『でも、頼さんを一人で行かせては、危険ですよ!!もしかしたら、
アビリティ発動時の時間のねじれの中に閉じ込められてしまうかもしれないし、
二人で行ったほうが、いろんなものが発見できるかもしれません。
…同伴の許可を願います。』

アマリリスは頼に言う。
なるべく、この人を一人で行かせない為に、自分だけでも覚悟を決めてついていきたかった。

『でも、君はまだ幼いし…。』
『また…ですか?』


『時間のねじれに閉じ込められる…?
まさか、これ…。』

『YES』

すると、アマリリスのところにまた一枚の紙が舞い落ちてきた。

『あなたは、答えを見つけた。だから、このくだらないゲームを終了させる。
今から、20秒以内に、部屋のドアを開けて、その部屋から退室せよ』

つながった。

アマリリスは、いつものように目を開けた。
しかし、そこにはいつもの川や橋は見えず、かわりに大きなシャンデリアが見える。

『ここ…は?』

アマリリスが辺りを見回していると、ドアからノックのする音が聞こえた。
反射的に、アマリリスは『入れ』と言う。
ここは、自分の部屋ではないので、入れと言うのも不自然ではあったが…と思ったとたん
そのドアが開かれて、トレイをもった執事服の男が入ってきた。

『お嬢様、今日の朝ごはんは何にいたしましょうか?』
『は?』
『いや、だからあの、朝ごはんは何にいたしましょうか?』
『いや、…私はここの家のものではないのだが…、ここはどこなのだ?』

アマリリスはその男に尋ねる。
『何を言っているのですか。7日間も家から姿をくらませておいて。』
アマリリスは自分の顔をつねってみる。

『いたい…。ということは、夢ではないのか。いや、夢でも痛みを感じる夢を見るかも知れぬ。』
『何を言っているんですか?』



アマリリスは、仕方がないので、朝ごはんのパンだけをいただいてこの家から出ることにした。
しかし。


『お嬢様っ!!!そんな黒いお召し物を着てどこに行くんですか!?今日のお嬢様の服はこの
お気に入りのピンクのドレスですよ!!!』
『は?私はピンク色が一番嫌いだ。』
『何言ってるんですかっ!?お嬢様、風でも引いておられるのですか?』
『私は元気だ!!!』

そこで、ふと考える。
この執事が言っている「お嬢様」とは、一体本当は誰のことを指すのだろうと。


『なあ、私の名前は何だ?』

アマリリスは執事に問うた。
しばらくその執事は何を言っているんだという顔をしてこたえた。

『アマリリス・キャルロン・リリー様ですが…。本当に風をひいてはいないでしょうか?』
『っ…。では、今は何年だ?』
『今は、1789年です。』

『ほ、本当か?と言うと、今年はフランスで革命が起きる…。』
『いえ、起こったのです。ただいま本国は、そのフランスに兵を送ろうとしている最中でございます。』

アマリリスは、その執事に今日はやはり風邪を引いたようだ。休む。と言い、
執事を下がらせる。


今の状況を整理しておくと、自分はどうやらタイムスリップし、
どこかの貴族の家のものになっているらしいと言うところまで行き着いた。
そして、自分に都合のいいように、過去が書き換えられていて、
たぶん帰る術は、その原因をとくしかないと言うところも理解した。

『となると、一番怪しいのは、今回のターゲットだった12歳の少女と言うことか?』

アマリリスは自分が大きな男に連れて行かれたとは知らない。
これから、どのようにしてここを抜け出す場いいのかも、まったくわからない状況の中にいた。

すると――。


ぐにゃり。


今、近くの鏡が曲がったような気がした。


ぐにゃり。


いや、本棚もか?

そして、突然の眠気に襲われて、アマリリスはベットに倒れこんだ。


おきたのは、先ほどの家とは違う、もっとぼろぼろの家だった。
そして、床には一枚の紙が落ちている。
その紙には文字が書かれていて、内容はこうだ。

『自分が今置かれている状況を回避する術は、いつもあなたの傍にある。』

字も、なんだか子供っぽい字である。
『なんだ?これは。』

アマリリスはその紙を手に取る。
そして、自分の近くにあるものを、よく調べてみた。
しかし、手がかりとなるものは何もなかった。

『頼さんっ!!ここより南1200mで、新しいアビリティを持つ人間が誕生しました!!
至急、処置をよろしくお願いします!!!』
『ん、わかった。』

アマリリスは、まだ幼く、頼もまた若かった。
でも二人とも隊を引っ張っていくにはよい人材であったため、
秘密結社の当時の幹部、そして今の長が、戦闘隊の副隊長と、隊長をこの二人に決めた。

アマリリスと頼は急いでそこから南へ飛んでいく。

『アマリリス、ここからは、君には危険だ。下がっていなさい。』
『でも、頼さんを一人で行かせては、危険ですよ!!もしかしたら、
アビリティ発動時の時間のねじれの中に閉じ込められてしまうかもしれないし、
二人で行ったほうが、いろんなものが発見できるかもしれません。
…同伴の許可を願います。』

アマリリスは頼に言う。
なるべく、この人を一人で行かせない為に、自分だけでも覚悟を決めてついていきたかった。

『でも、君はまだ幼いし…。』
『また…ですか?』


アマリリスはこの言葉が一番嫌いだった。
幼いから自分の信頼する隊長のところについてさえ行かせてもらえない。
いつものその言葉が、今日のアマリリスの心も苦しめる。


『でも、幼くたって、副隊長なんです!隊長のことを守りたいと思うのは当然なのではないでしょうか!?』
アマリリスは、このとき初めて頼に対抗した。
いつもだったら、他の隊員と共に後ろに下がらせられる。
でも、今日は我慢の限界だった。


『アマリリス…?』
『だって、幼いだけでついていけないなんて…。私はもうあなたの下についてから随分とたちます。
私はあなたを信用している。なのに、頼さんは私のことを信用してはくれないのですかっ!!』

アマリリスは、引きとめようとする頼の横をすっと通り越し、一人だけで、今回の目的の地である
イギリスの首都、ロンドンに突っ込んでいった。

ロンドンの町は広く、複雑。
探す対象である、12歳の女の子もすぐには見つかる筈もなかった。
ましてや、今回は初めて任務にきてしまったのだ。
どのように行動するのかもわからない。

『頼さん…。』

アマリリスは、心の中で頼の名前をつぶやいて今日も目を閉じて眠る。


頼の元をたってから、1週間が過ぎていた。
もう、何も食べていない。
満足に寝てさえいない。

そんなアマリリスの横に不気味な男が立ったのは、夜あけ前。
その男は、細くなったアマリリスを抱き上げると、でっぷりと太った体でのしのしと
どこかへ去っていった。



『では、次は武器名山の手ゲームでもやるか?』
『そうですね~。』

ベンジーは、のほほんとアマリリスに微笑んだ。
『でも、私自分の使ってる、安っちぃ奴しかわかんないですよぉ?』
『まあ、そん時はその時だ。私が勝てば、私は双子側に残ることが出来るのだな?』
『そうですよ。ていうか、これで勝たれたら、もう私帰らないといけないんですよね~。』
『…そうだな。』

アマリリスは、少し考える素振りをして、答えた。

『まあ、その話は後でやろう。今はゲームに集中だ。』
『はい。』


先ほどの、シャドウ山の手の台はそのまま使われるらしく、二人はそのままそこに座っていた。
しかし、これはもうアマリリスの勝利が確定したようなものだった。

武器管理の隊長な上、記憶力もよく、戦闘能力もかなり高いアマリリスは、
この戦いで負けるはずはなかったのだ。
いや、負けるわけにはいかなかったからだ。


普通の隊員であるベンジーに負けることに対して、プライドが許さないのも、そうかもしれない。
自分の友達に、大見得を切っておいて負けるのが、癪だからかもしれない。
しかし、それ以上に負けるわけには行かない理由が、近くにあった。

それは。

台の横にたたずむ一人の青年。
金髪の長髪を後ろに流し、すっと微笑む彼の存在だった。



3年前だった。
アマリリスがまだ戦闘隊の副隊長で、頼が隊長だったころの話だ。

そうして、今。
戦いの場は体育館に移され、そこには、クイズ番組にありそうな台とボタンがセットされてある。
そして、二つの台の真正面にはギャラリーの皆さんが座り、
台の横には、司会者役となる頼が立つ。

『じゃあ、始めますが、いいかな?』
『はい。よろしくお願いします。頼さん。』
『よ、よろしくおねがいします!!!』

『ん、OK。じゃあ、シャドウ・クローネの山の手スタートッ!!!』


山手線ゲームだからボタンはいらないと思うが、そんなことお構いなしに、
ベンジーは一番最初の答えを言っていく。

『身長は、179センチメートルにゃ。』

そして、次がアマリリス。

『体重が、67kg』

『寝るときは、いつも真っ黒なローブを、そのまま下着の上に着用してねてるにゃ』
『そ、そうなのかっ!?』
『はい、ばっちり見てしまいました。』

『歯ブラシは、いつも青いものを使っているらしいな。』
『で、タオルはこれも青なんですよ。』
『そうらしいな。』

これでは、隊長の面目丸つぶれゲームである。
美香にシャドウの変なイメージ画がうかびあがってくる。


『靴は、昔お母様からいただいたものを使っているときいた。』
『そうなんですか。でも、そのお母様、この間お亡くなりになったそうなんですよ。』
『ああ。それで一旦母国に帰っていっていたな。』
『私、あの時すごく寂しかったですよ。』

どっちがどっちの順番かわからなくなってきている。
完全に普通の会話になってきている。
でも、二人とも自分の順番が来ると、ボタンを押すところは、流石である。


ぴりりりっ  ぴりりりっ


山手線ゲームが、シャドウの過去の笑い話になっているとき、
頼の携帯電話が鳴った。

『ちょっと、失礼。』
そう言って頼は、携帯電話に出る。

『もしもし、あ、クローネ氏か。ああ、うん。今二人が君の過去の話で盛り上がっているよ。
けっこうアマリリスにいろいろ話しちゃったんだね。うん。え?ああ。
彼女は記憶力が抜群にすごいからな。彼女に勝てる人を今までに見たことがないよ。
ああ。君が言ったこととか、やってることとか全部覚えているらしい。』

そして、しばらくそこから頼は頷く作業に入り、しゃべらなくなって、数分たった。
ぴっという音を立てて電話を切ると、白熱する山手線ゲームを止めに入った。


『ねえ、君たち、いま、シャドウ君から電話が入ったんだ。あまり、自分のことについて話されるのは
気分がよくないから、今回のゲームは引き分けてくれと言うものだった。』
『え?』

ベンジーが悲しそうな顔をした。

『よい。ベンジー、またこれから暇があれば、話そうな。』
『はい…。』


そして、山手線ゲームは、言われる本人の意向により、中止となった。
そんなこんなで2回戦。

『なあ、ベンジー。私が隊長ということはどういうことかわかるか?』
『え?そうですねぇ。わかんないです。』
『そうか。単刀直入に教えてやろう。お前のその小さな頭にでも簡単に入るぐらいに簡素にな。』
『言い方がむかつくけど、ありがとうございますぅ。』

2回戦が始まる前の二人の会話である。
アマリリスの正体がわかった後に、二人が肯定の端にあるベンチに座って話した話だ。

『私が隊長と言うことはな、シャドウと私は親しいと言うことだ。
だから、お前が必死になって調べたシャドウのプロフィール…たとえば誕生日とかか?
も、向こうから言ってくるぐらいに親しいのだ。
つまり、私は、お前が知っているような簡単な身長から正座などの基礎知識から、
あいつの、過去の話まで何から何まで知っているのだよ、わかるか?』

『えぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ。そんなの卑怯ですよ!!!
私なんか、隊長が寝ている間にメジャーを持って部屋に入り込んで、身長を調べたりしたのに…。』

『やっぱり、いつも、シャドウが言っていた不思議な出来事の発端はお前だったのだな。』

『はい?』
ベンジーは首をかしげて、アマリリスに向き直った。

『いや、あいつは、何事も、かすかな変化があると、気になるタイプでな。
毎日のように後ろから気配があるが誰もいなかったりとか、
自分のものが2㎜ずれていたとか、そういうことで、何回も私に話に来ていたこともあったのだ。』

『えっ、やっぱり気づいてたんですか。』
『ああ。だが、あいつは、気になりはするが、奥底まで調べようとしないタイプだから、
詳しくは調べなかったそうだ。』

『ああ。ありがたいです。』

ベンジーは、ほっと息を吐いた。
『でもな、』
そこで、アマリリスが切り返す。

『私が逆に気になってしまって、調べてしまったのだ。そうしたら、お前の気圧と言うか
なんというかの変化のパターンが読めてきてな、そうこうしている内に
双子のところに送り込まれたから、犯人がわからなかったのだ。
で、数日前、お前がここに来たときにそのときに感じた、気圧と波長が似たものが
感じ取られたから、きっと、こいつなのだな。と思って
帰ったら調べようと思っていたのだ。』

『な、なんてことをっっ』

『でな、秘密結社に連絡を取ろうと思ったら、私はもう、完全に犯人にされていて、
連絡がつかぬまま、今日を迎えてしまったのだ。』
『そ、そうだったんですか…。』

アマリリスは、ぼーっとしたように、いつもとは語調を変えて話した。
いつものハキハキとした喋りではなく、美香のおっとりとしたしゃべり方と似たような感じで。


そうして、休み時間が終わり、頼が次の戦いの始まりの時間を伝えに来た。





そして舞台は第二回戦へ移る。

『次は、にゃんと、私の『裏切り抹殺隊隊長』シャドウ・クローネ隊長のプロフィール山手線!!
今度こそ負ける気がしないのにゃ。』
ベンジーは、ふふんと鼻を鳴らした。

『ほう…。お前裏切り抹殺隊の隊員だったのか。』
『そうにゃ。今回のは、私が、入隊してから毎日のように隊長を付回し、
付回した挙句にやっと掴んだ、きせきのプロフィール山の手。
ぜったいにまけにゃいにゃりよ!!』

『おまえ、ストーカーだったのか…。』
アマリリスがあきれたように言った。

『まあ、私もよくつけられていたがな。』


『ふんっ。そんな平隊員がつけられるなんて・・・。奇跡だにゃ。』
『ん?』

アマリリスは、小首をかしげる。
明らかにおかしい。こいつは一体、何を考えているのだ・・・?と。

『そうか…、お前、自分がこのゲームで負けるはずがないと言ったな。』
腕を組んでアマリリスはたずねる。

『そうにゃ。』

『ということは、お前、私が何者か、知らないな?』
『にゃ?』
そして、組んでいた手を、ベンジーに突きつけてこういった。


『お前は、この間の新入隊テストを合格したうちの一人。つまりは、入ったばかりの平の平隊員。
しかも、他の隊のことなど、入ったばかりで何も知らない上、
自分の隊の隊長にしか興味がないと来た。』

『そ、それがどうしたにゃっ!?』

『よいか、お前が生きて帰ることが出来たのであれば、早急に他の隊の隊長、
および副隊長の名前をすべて調べてみろ。』

『どういうことにゃっ?』

『私の自己紹介をしてやろうか。私の名前は、アマリリス・キャルロン・リリー。
A・D会幹部補佐及び、武器管理隊隊長、アマリリス・キャルロン・リリーだ!!!』

しばしの沈黙。
その場が凍りついた。

しかし、アマリリスの監視できたと言う、頼は微笑を崩さない。

『た、隊長にゃ?』
『そうだ。』
『た、たいちょうだったにゃりか?』
『そうだ。』

『たいちょー!????』

ベンジーの大きな声が校庭にこだまする。

そして、横で微笑んでいた頼も、すっと前に歩み出てくる。
『そして、僕がA・D会の幹部。切舟頼だよ。よろしく。』

『えっ、ちょまつにゃっ!!なにこれっ!!??きいてにゃいよぉ!?』
『自分のところの隊長にしか興味がないからそういうことになるのだ。』

『え?え?えーと…。今までの粗相を失礼いたしました…。』
なぜか、さっきとは打って変わって、頭を思いっきり縦に振りながら謝るベンジーに、
後ろのギャラリーも笑いをこらえきれなくなってきた。

『えっと…、もういいぞ…?あやまらんでも…。』
『いえいえっ!!隊長様にそんな迷惑なことをっ!!!さっきは、誠に失礼いたしましたっ』

だんだん、ニャーとかも消えてきている。
あれは、作り物の語尾だったのか?

『えっと、あれは、私と立場が同等から下に使う、愛好の印と言いますか、
駄目なんですよっ!!上の人に使っちゃいけないんですよ!』
『いや…、今、私は犯罪者になってるみたいだから、もうよいぞー…?』
『え?いいんですか?いいんですか?』
『よいよい。もうよいから止めてくれ。目障りだ。』
『そんなっ』

『ぶはーーーっ』
後ろで噴出す面々。
ほんとにもうアウトです。

『きたないなっ!!吐くなっ!!お茶を吐くなっ!!』
『止めるですぅ!!美香さんが、マーライオンになったですぅ!!』


『五月蝿ぁぁぁぁい!!!!!』

というわけで、決戦第一回目である。

『いにしえの~奈良の都の八重桜~』
『はいっ』

記憶力抜群のアマリリスは、ベンジーに対して30対10と、圧勝していた。

『ぬぬ~。す、すごいにゃ…。』
『ふふん。外国人だとしても私のほうが日本にいる期間が長い。』
『うう…。』

ぺしっ!ぺしっ!

美香が読み上げる札が、瞬く間に二人のどちらかの手に消えていっている。
二人とも恐ろしい記憶力だと、つくづく思う。

そして最後の札…。

『『はいっ!!』』

二人の手が重なっている。そして、下の手は…。

『べ…ベンジーちゃんのです。』
美香が、その札をベンジーに手渡し。

『ありがと。』
ベンジーはそれを受け取る。
まあ、そんな1枚など、ほぼ無意味なのだが。

『というわけで、アマリリスちゃん73枚。ベンジーちゃん27枚で、アマリリスちゃんの圧勝です。』
『ちぇ~。』
ベンジーは、ほほを膨らませる。
たとえベンジーが30枚覚えていようと、その30枚が、アマリリスの記憶しているものと一致していれば
もうベンジーに勝ち目はないと見てもよかった。

たとえるなら、ベンジーは亀で、アマリリスはウサギみたいなものである。
元が違いすぎるのだ。
しかし、ウサギと亀の物語のように、奇跡が起きて亀が勝つ場合もあるかもしれない。
しかし、アマリリスには、あの物語に登場するウサギのような隙は持ち合わせてはいない。

つまり、アマリリスの圧勝なのは間違いのないことだった。

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