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私のイラスト(FFとか、BLEACH、Pandora Heartsが主)や 歌詞(アニソン)もがんがん貼っていきたいと思いますww
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心が落ち着いて、自分の部屋に戻ろうとしていたときだった。
自分の部屋の真正面。
武器管理隊の副隊長室。
そのドアの前に一人、丸まっている少年を見つけた。
その少年の肩は震えていて、顔は涙でぐしゃぐしゃになっている。

『海…?』
『隊長…。』
何でこうなっているかは判っている。
自分が頼にこの二人のことを言ってしまったからだ。

『た、隊長には関係ないですから。一人にしておいてください。』
『まだ何も言ってないだろうが。』
『わかってます。かわいい部下が泣いているのをほっとけないって言いたいんでしょう?』
『それ自分で言うか?普通。』
『もういいんです。かわいい部下でもほっておいてください。』
海は、アマリリスに背を向けてさらに丸くなってしまった。

しかし、関係ないといわれても、こうなっているのが自分のせいなのは、事実である。

『海、本当はな、頼さんに言ったの…。』
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その後のアマリリス。
アマリリスは、また長い廊下を通って頼の部屋の中に来ていた。
そして、先ほどと同じ場所に立って、頼に尋ねる。
『美香たちも、舞踏会に出してあげたいのですが、相手が居なくて困っているんです。
同じ性別同士で踊ってもかまいませんかね…?』
すると、頼は『そっか…。』といって、椅子から立ち上がった。

『じゃあ、しょうがないから、あの4人だけは許すことにするよ。でも、他の人はダメだからね。』
『あ、で、でも…。』
そこで、部屋で聞いたリサの言葉が頭をよぎる。
海と港も二人で踊りたがっていたと。
海は今日の行動とは裏腹に、すこし生意気な部分があるが、あれでも、大事な部下である。
『どうしたの?』
頼が、うつむいたアマリリスの顔を覗き込むようにして聞いてくる。

『もうワンペア許してほしい二人が居るんですけど…。』
『…誰?』
アマリリスは、顔を上げて言った。
『香山港と香山海です。』
『あー…。あの二人か…。でも、あの二人はここの人でしょ?相手ぐらい居ても…。』
頼は、アマリリスに諭すように言う。

『しかし…。先ほどリサから聞いたのですが、あの二人踊るための練習をどうやらしていたらしくて…。』
これは嘘である。
そんな話はリサからは聞いていない。
『……じゃあ、僕から言っておくよ。それは君等が決めることじゃない。僕か、マージョリーさんが決めることなんだとね。』
『頼さん…、そんな…。』
『こういうことは厳しくしておかないと。』
『やめ……、』
『…僕もう行くから。』
頼は、少し怒ったような口調でアマリリスに言うと、アマリリスの横をすり抜けて部屋から出て行ってしまった。

『怒らせて…しまったのか?私が…頼さんを?』
アマリリスは、そのままかくんと膝を床につき、そのまま動かなかった。
『頼さんから聞いたのだが、1週間後にここで舞踏会をすることになっているそうだ。』
アマリリスは、自分のいすに足を組んで腰掛けた。
『そ、それ知ってるですぅ!!』
それとは反対に、リサがアマリリスを指差しながら立ち上がった。
『なぜ知っているのだ?』
『え?あ、それはええっと…。ご、ごめんなさいです。海くんと港さんの話を盗み聞きしてしまいました…。』

一気に周りの空気が白色に変わった。
『リサちゃん…。』
『うわぁ…。』
『さいていですわ…。』
げんなりしたようにみんなしてリサを見つめる。
すると、リサはわたわたして、両手を振りながら、『ちがうんですぅ!!』とか意味のわからないことを口走った。

『リサ、あの二人はちょっと、アレな関係だから、詳しいことは突き止めてはいけないのだ。』
アマリリスも諭すようにリサの肩をたたく。
『はうぅぅ』
リサは、そのままベットに倒れこみ、屍となった。

『…で、舞踏会の話に戻るが、今回の舞踏会は、一風変わっているらしくて、男装&女装で行われるらしい。
つまり、ダンスがいつもの逆になるわけだ。』
『それは…、難しいですわね…。』
桜が、考え込むように顎に手を持ってくる。

『はいはい先生!!!』
『何だ美香。』
『私もとの女のほうのダンスもわからないので、逆になっても全く困りません!!!』
そして、またその場に白い空気が流れ、美香はリサの隣で屍となった。

『…で、私はお前たちにも出てもらえたらと思っているのだが、何しろ、相手が決まるかどうかというのが…。』
『まあ、さっきここの探険もして、知り合いもみんな一人か二人居るはずだから大丈夫だろうよ。
べつに同じ性別でもいいんだろ?さっきの、海たちみたいに。』
『アレは特例なのかもしれないが…。』
『えー…。いいんだったらこのメンバー同士で踊ればいいと思ったんだけどな。』
乃香は、ふう、っとため息をついて、意味もなく美香の横で屍となった。

『頼さんに話をつけてくる。』
アマリリスは、同じ性別同士でもいいのかを聞いてくるといって、
また部屋から出て行った。
すると、屍たちと桜が、一斉にドアのほうを見て、にやりと笑った。
『で、隊長なのになぜあなたはここに居るんですか?』
桜は、辺りをきょろきょろ見渡していった。

『ああ。めんどくせぇ。それだけだな。』
『はっ!?そ、それだけで仕事サボってるんですか!?』
『そうだ。何か悪いか?』
『ま、まあ色々悪いですが…。』
『はんっ』

桜の目の前に寝転がっている美波は、そこから動こうともしない。
その上、はんっといった後に、すぐにいびきをかいて寝始めてしまった。

『よくもまぁ、こんな人が隊長になれたものですわ…。』

桜も、この辺でお暇しようと思い、アマリリスの部屋の方向へ歩いていった。

すると、向こうから見覚えのある人物が二人ほど走ってくるのが見えた。


『ま、まってぇぇぇぇ!!!!!』
『つかまったらアウトにょ~♪』
『げっ!!』

その見覚えのある人物とは、美香とベンジーの二人に他ならなかった。
『あぶなぁっ』
桜は、何か、どこかの言葉をいい、魔法を発動させて、
無理やり二人をとまらせた。

『危ないですわっ!!廊下を走るなと学校の先生に言われた覚えはありませんのっ!?』
『でも…、だってぇ』
『でももだっても、ありませんわっ!!それに、時間は守らないと。
今何時だか、判っておりますの?』
『え?あっ!!やばぁ…。』

美香は、腕時計を見て、口に手を当てた。

『急いで戻らないと、また怒られますわね。さっさと戻りますわよっ!!
ベンジーさんも、こんなところで、美波さんみたいに油を売ってないで、
さっさと持ち場に行きなさい。では、ごきげんよう。』

桜は、そう言い放つと、美香の手をとってずんずん歩き始めた。
そして、あっという間に全員がアマリリスの部屋に集合。
今後のことについて話し合うことになった。
海と、海のお兄さんの会話をこっそり聞いていたリサは、急に中の物音がしなくなったのに気づいて
しばらく、壁に耳をつけていた。

『お・・・おかしいですぅ。』

と、その瞬間だった。
リサが耳をつけていたドアが、勢いよく開かれたのは。

『ひょるひぇ!!??』
リサは、奇妙な声を出して、壁とドアの間にはさまった。
『ん?何か今声が…。』
海のお兄さんがそういうと、海が、ドアの後ろを覗き込んだ。

『兄様、人が挟まってます!!あれ?この人…』
『だれだ。』

リサは、その状態を離脱し、二人の前に立った。
『私は、その…別に中の様子を聞こうとしてたわけじゃないですよ?
えっと、アマリリスさんにつれてきてもらった、リリッサ・フラン・コロン・ギガメアー
っていうです。』
リサは、自分が何をしていたかを言ってしまった後に、自己紹介。
こいつが犯人だ。

『え、急に自己紹介…。まあいいか。』
海のお兄さんは少し驚いたようだったが、どうやら、今までリサがしていた事は、
水に流すことにしたらしい。

『俺は、こいつの兄の、港。香山港だ。で、こっちが弟の…』
『ああ、兄様。さっきこの人たちには会ったので、僕の紹介はいいですよ。』
『あ?ああ。そうか。…よろしくな。』

『よろしくですぅ。』

そこで、時間を見たリサは、あと少しで集合の時間になることを悟り、
二人に別れを告げて、アマリリスの部屋へと戻っていった。
そして、意味のわからないリャオ・シェンと、ボケと突っ込みの漫才を
永遠と繰り広げる乃香の元に救世主が舞い降りた。

『お?リャオ。こんなところで何してるん?』

乃香が振り向いてみると、そこには、全く知らない子が立っている。
『だれ?』
乃香が聞くと、リャオ・シェンがその子の紹介をしてくれた。

『あの子は、私と同じ中国人の、メイ・リン言いますネ。
昔は、王桃っていう所の、まあ、機関に入ってたアルヨ。でも、
心を入れ替えたメイ・リンはここの秘密結社に入ったアル。』
『へぇ。』

紹介をされると、その子は、にっこりと笑ってお辞儀をした。
どうやら本当にいい子らしい。

『よろしくお願いしますね。』
『ああ。私は脳を共有する双子って言われているうちの、藍田乃香っていうんだ。
よろしくな。』
リャオ・シェンとは違って、ずいぶんナチュラルな日本語が喋れるんだなぁ。
と思って感心していると、メイ・リンは、自分がこちら側に移ってきたわけを話し始めた。

『最初は、機関にいたほうが、いいアビリティの人を捕まえてうれば
高く売れるし、お金も儲かるかなぁと思ったんですが、これが、全くで。
機関同士の取り合いが激しいし、しかも、売れたとしても、機関内で分けちゃうと
大したお金にならないんですよこれが。
だから、国の税金で給料を出してもらっている、秘密結社のほうが
儲かるかなって思って、結構有名なここの秘密結社に入ったんですよ。』

『お前は金の亡者か。』
乃香は、脱力するが、メイ・リンは、うれしそうに話を続ける。
でも、お金とかそんな難しい話が苦手な乃香は頭に何も入らなかった。


とにかくだ。
そんなこんなで時間は過ぎ、そろそろアマリリスの会議も終わるころだろうと思った乃香は
二人に無理やり別れを告げて、アマリリスの部屋へと帰っていったのだった。
さて、こちらはまた戻って、美香である。

『あ、あった!!!』
こんどこそ、美香は二人部屋のプレートにベンジーの名前を発見する。
そして、恐る恐るドアをノックする。

コンコンっ

『うにゃ?まだ勤務時間じゃないにょ~。』
この声は、どう聞いてもベンジーのもので、美香はほっと一安心をする。
しかし…。

『まっまさか…、ドロボー?なんかドロボーは、人が居るか確かめるために
ドアをノックするって聞いたことがあるにょ。よーし。
私の友達だったら、ノックにゃんかしないにゃ。
ここは一発…。とりゃぁぁぁぁ!!!!!!』

めきょ。
そして一瞬フラッシュバック。

『いたたたっ。』
『にょっ!?双子の片割れにょっ!?』
『失礼な言い方・・・。』
『美香にょ?』
『そうにょ…じゃないよっ!!!!なんで、突然泥棒呼ばわりされなきゃいけないのっ!?』

美香は、腕を組んでまだ幼さの残るベンジーを少しにらみつける。
ベンジーも、やっまったぜ!!見たいな顔をして、後ずさった。


そして…
『逃げるが勝ちにょっ!!!』
『あ、まてぇぇ!!!!』

そして、今度の美香は、1対1の鬼ごっこをする羽目になったのだった。
そして、こちらは幸せ絶頂アマリリスである。

『頼さん、今回は何でしょうか?』
アマリリスは出来るだけ丁重に聞いた。

『んと、今回は、個人的なことなんだけどね、一週間後に舞踏会がここで開催されることになっているんだ。
で、僕と一緒に踊ってくれ…ないかなと。』
〈バターン〉
と倒れそうになるのをこらえて、アマリリスは首をぶんぶんと縦に振る。

『やりますっ!!やらせていただきます!!!』
『そりゃよかった。よろしくね。』
『はいっっ!!』

個人的な用事と聞いて何かと思ったら、秘密結社に帰ってきて早々
アマリリスの上に天使が舞い降りてきたようです。

『でも…ひとつだけ問題があってね、』
『はい?』

頼は、急に声を潜めていった。

『今回の舞踏会は、なんだか特殊らしくて、男が女の格好をして
女が男の格好をして踊るらしいんだ。
で、ダンスも男女逆になるし…。大丈夫?』
そこで、アマリリスは親指をぐっと立てて、古い格好をして叫んだ。

『大丈夫です!!!私今までにも何回か男の格好をして、男のほうのダンスを踊ったことありますから!!』
今回は誰も突っ込む人物がいないので、私が突っ込んであげよう。
アマリリス、そこは、自慢するところではなく、女らしさを強調するところです。

『なっ、天の声…?』
『どうしたの?』
『いえ…、空耳が…。』
『ははっ。そうなんだ。』

で、とりあえずここでの話は終了。アマリリスは頼の部屋から一例をして出て行った。

帰る途中、昔からの友達である、例の裏切り抹殺隊隊長のシャドウ・クローネと、
一匹の豹にあった。
しかし、この豹は普通の豹ではなく、二股で、人語を話せる上、裏切り抹殺隊の
副隊長でもある。

『あ、クローネ。久しぶりだな。』
『ぬ?アマリリスか…。そうだな、久しぶりだ。お前が出て行ってしばらく立つからな。』
シャドウは、バリトンヴォイスでそういった。

『また、話も色々としたいのだが…。今は少し用事があってな。また後で会おう。』
シャドウは、その豹のライムに来いという合図を出して、一緒にアマリリスが来た方向へと歩いていった。

『では、私もそろそろ出てみますか…。』
桜も、誰もいなくなった部屋をぐるりと見渡して、アマリリスの部屋を出る。

桜は、他のみんなとは違って、その階の探索をせずにエレベーターで
一番上の階に上がっていった。


―― 一番上の階=屋上。

『ふわぁ…。なんだか眠くなりそうなところですわね。風が心地よくて。』
ここの秘密結社の屋上からは、草原や、山や花畑が見えて、
今にも、ハイジとペーターがヨーゼフを抱きかかえて走り回りそうなところなのである。

『あら?あそこに人影が。覗いてみましょうか…。』
というわけで、覗き魔の桜。

そして、そこにいたのは…。
『頼…さん?』

屋上のベンチの上で大きないびきをかいて寝ているのは、頼だった。
『え?さっきアマリリスさんが呼ばれていったはず…。』
桜が、しばらく見ていると、頼はむくっとおきて、ガシャコンと自分の武器を手に取った。

『そこにいるのは誰だ?』
『ひぃっ』
桜は、小さく悲鳴を上げて出て行く。

『わ、私はアマリリスさんにここにつれて来て貰った、黒魔道士のチエリ・マロク。
日本名で、綾野桜ともうします。ってか、頼さん…?ですよね…?』
桜は、この間会った人にもう一度自己紹介しなければならないのかと
思いながら、雰囲気が怖いので一応もう一度自己紹介してみる。すると…。

『ああっ!?頼っ!?何言ってんだてめぇ。あたしと頼を間違えんなよ!!
性別まで違うだろうが。』
『へっ!?』

そういわれてとっさに見たのが、女の象徴だった。
『そ…そうですね。結構大きいのに、間違えてすいませんでした…。』
『はんっ!!まあいいや。あたしは、切舟美波。頼の双子の妹だよ。一応戦闘隊の隊長だ。
てか、お前本当にひどい奴だよな。』

『な、何がですか?』
『さっきの大きいって言ったのって、乳だろ?乳。』
『乳…。』
『戦うとき邪魔なんだよ。切り落としてやろうか。』
『や、止めてくださいよっ!!恐ろしい人だわぁ。』
『じゃあ、私も行って来るですぅ。じゃあ、また会いましょうね。』
リサも、桜に別れを告げて、一人でアマリリスの部屋を出た。
『私には気になることがあるですぅ。ちょっと解明してくるですぅ。』
そんなことをいいながら向かったのは、美香と同じ方向だった。
しかし、リサはそのまま美香が曲がったところを通り過ぎて、
先ほどアマリリスの部屋までつれてきてくれた海の曲がっていったほうへ曲がっていった。

『ふっふっふ。海君が急いで着いて行ったあの男の人の謎の解明ですぅ。』

さきほど、海は、例の男の人を見るなり、急に足が速くなり、顔もにこやかになっていた。
リサは、そのことがどうも気になるらしい。

『こっちですかねぇ。』
そして、角を右に曲がる。
出たところは、戦闘隊の副隊長の部屋の前だった。
『あれ?行き止まりですぅ。』

リサは、辺りをきょろきょろと見回すと、抜き足差し足忍び足で
ドアのところまで行き、ドアに耳をくっつけた。
すると―――。


『兄様、今日はどうするんですか?』
『ん…と、そうだな、そういえば、1週間後にまた舞踏会をやるらしい。
あの人も好きだよな。全く。』
『でも…、舞踏会って、男女のペアで出るんじゃ…。』
『ああ…、そうか。お前は年の制限で今まで一度も出たことがなかったんだよな。』
『はい…。』

海と、先ほどの例の男と思しき人物の声が聞こえる。

『別にどっちでもいいらしいぜ。俺は、お前が女物を着ればかわいいと思うけどな。』
『な…、何を言ってるんですか兄様!!』

『舞踏会ですかぁ。いいなぁ。』
リサは、さらにドアに耳をくっつける。

『ふん…。じゃあ、今夜は俺がお前に社交ダンスというものを
手取り足取り、何とり教えてやるぜ…。』
(何とり…!!??)
『あっ……。何してるんですかっっ!!兄様っ』
(うわぁ。もう聞いてられないですぅ!!!)

リサは、いけない妄想をして、その場から身を引く。

『兄様っ!!それは、靴下じゃなくて手袋ですっっ』
『じゃ、あたしもどっかに行って見るかなぁ。』
乃香は、そういって、いつものメンバーの輪の中から抜けた。

『じゃ、数時間後にここで会おうぜ』

乃香は、別に人見知りとかは激しくないタイプなので、すぐに、
会った人とも友達になれるだろう。
まあ、心配なのは、そこではなく、喧嘩っ早いことなのだが。

ということで、今回は、乃香の話である。
今乃香は、アマリリスの部屋をでて、そのまま直進。
食堂のほうへ来ていた。

『まずは、食い物だよな。食わないと、戦は出来ねえ。』
早速危ないことを口走る。

『金って要るのか?どうなんだろうか。あ、あそこに、変な人発見!!
聞いてみるかぁ。』
本当に、この人の将来が不安である。

『すみませーん。あたし、アマリリスに連れてきてもらったものなんですけど、
食べ物って、ここで、買うんですか?それとも貰うんですか?』
聞き方からして、まずおかしい。

しかし、振り向いた人もおかしい人だった。
『ワ、ワタシ!?私に聴いてるアルネ!?え?ど、どうしよう…。知らない人に話しかけられちゃったアルっ!?』
『ちゅ、中国人…。すげえ、本当にアルって言ってるよ…。』
『違うです。キャラ作りのためネ。』

本当に変な人だ。
ぐるぐるめがねをかけていて、髪の毛はツインテール。
短く結んだ髪をゆっさゆっさと揺らして、おろおろあわあわ。
この人本当に大丈夫か?
と思ったとき、間の悪い変人は、急に自己紹介を始めた。

『ワ、ワタシ、研究隊の副長やってる、リャオ・シェンていいますネ。ヨロシクデス。』
『言い方がいちいち癪に障るんですが…。』
『キャラ作りのためにこういう喋り方してたら、定着してしまったんですヨ…。』
『かわいそうな奴だぁ。てか、副長って…。研究隊の隊長大丈夫かな…。』
乃香は、首をかしげる。

『大丈夫アル!!全部、というかほとんど隊長一人でやってるから、失敗しないアル!!』
『そこ自慢するところじゃねえ。』
『そ、そうですか?』
リャオ・シェンも首を傾げる。

『で、ここの食堂のは、タダなのか、タダじゃねぇのか。そこだけ聞きたいんだが…。』
『あ、自己紹介してもらってないアル!!ワタシもなのったんだから、
あなたも名乗るアル!!』
『そんなことはどうでもいいわっっ!!!』

漫才ごっこ~。はいははい。
数分後。
みんなは、秘密結社の見学をしにいった。
みんなでばらばらに行動したほうが面白いということで、
個人で回る。

しかし、アマリリスだけは、頼さんに呼ばれたとか何とかで、その場を抜けていた。
本当にわかりやすい奴だとみんな思ったが、
誰も、『顔が赤いよ』とか、『うれしそうだね』とかを言わなくなってきたのは、
アマリリスの反応は、ちっとも代わり映えしないと判ってきたせいだろう。

『じゃ、また後でね。』

美香は、みんなに手を振って、先ほど来た道を逆に歩いていった。

美香がこっちに歩いてきたのには理由がある。
先ほどアマリリスの部屋に来る途中に、裏切り抹殺班の平隊員の小部屋があったのだ。
きっと、どこかにベンジーがいる筈だと思い、美香は、そこまで歩いてきていた。

『ベンジーちゃんどこかな?』

美香は、部屋の一つ一つのプレートを歩いてみて回る。

『あ、これ…?』

美香が立ち止まったのは、二人部屋のところ。
プレートには、『ベンシー・スクラティオ』と書いてあった。

『ま、紛らわしい…。』

ちなみに、忘れてしまった人のために。
ベンジーの本名は、ベンジー・スコッティオである。

そして、しばらく美香の迷いの時間が始まるのだった。
『お帰りなさいませっっ!!アマリリス隊長!!!』

ドアを開けたアマリリスたちを待っていたのは、
小柄な、アマリリスよりも小さい少年だった。
ここの偉い人たちは、シスコン、ブラコンなのだろうか。
とも思ったが、みんなそういうことは場をわきまえて黙っておく。

もちろん、建物の中は、とても豪華で、外から見たのと違和感のないぐらいにマッチしたものだった。

『どうぞ。今、アマリリス隊長の部屋に案内しますね。
あっ、あ、自己紹介…。』
なんだかあわただしいかわいい男の子だった。

『えっと、僕アマリリス隊長の下で働いている、香山海っていいます。
一応副隊長です。よろしくお願いします。』
『ああ、では海、こちらの紹介だ。こっちの髪の毛が長いのが、美香。』

美香がぺこりと頭を下げた。

『で、こっちの髪の毛が長いのが、乃香。』

乃香が、また頭を下げる。

『で、こっちの髪の毛が長いのが、リサ。』

リサがにこりと笑う。

『で、こっちの髪の毛が短いのが桜だ。…お前だけ仲間はずれだな。』
『なっ、五月蝿いですわ!!』

そんなこんなで、五月蝿くしゃべりながら、アマリリスの部屋の前まで海に連れて来てもらった
みんなは、海にそこで別れを告げて、アマリリスの部屋の中に入っていった。

どうやら、海はあわてていたっぽかったのだが、それは、
部屋の角を曲がったときに見た男の人が原因らしい。
見た途端にぱっと顔色が変わって、足の動きも早くなっていた。
これはどういうことだろうか。

『ふう。本当にここも久しぶりだ。』

アマリリスは、そう独り言を言うと、近くのいすのところに荷物を置いた。
他のメンバーは、初めての場所だったので、固まっている。

『ん?早くお前らも荷物を置け。重いだろう。これから、この数日間、ここが私たちの止まる場所になる。
私の部屋だから、遠慮は要らない。べつに、そのベットで飛び跳ねて回ってもいいぞ?
乃香なら私のいないところでやってそうだがな。』
『う、うるせえ!!!』

そういうと、乃香は、対抗意識が出たのか、荷物を、クローゼットの横に置いて、
アマリリスの羽のベットの上で飛び回り始めた。

『はははははっっっ!!!どうだっ!!飛んでやったぜぃ!!』
しかし、乃香が飛んでいるところを見ずに、後ろを向いていた。

『残念だったな。私は飛んでるところを見てないぞ!!』
『な、卑怯者ぉぉぉ!!!』

『何の漫才ですか。まったく。』
桜もそういうと、近くのところに荷物を置いた。
『さあ、ついたぞ!!ここだ。』

赤茶色の髪の少女、アマリリスが、大きく両手を広げて叫んだ。

『す、すごく…大きいね…。』
『だろう。それが、私たちの自慢の一つでもあるのだからな。入るぞ。みんなが待っている。』

そして、一緒にいたほかの4人と一緒に、アマリリスは
大きな建物の中に入っていった。




美香たちが通っている高校は、夏休みに入った。
まあ、何の楽しみもなく終わっていくはずの夏休みも、今回の初めての高校ライフの
夏休みは楽しみがありそうだ。というかあるのだ。

夏休みの少し前、頼というアマリリスの勤める秘密結社の幹部から、
夏休みに遊びに来ないかというお誘いが来た。

それに飛びついたのは、どういうわけかそこに勤めている本人なわけだが、
理由は第3話を見ている人ならわかるだろう。
(見てない人は読みなさい。)

『ああ…。秘密結社に帰るのも久しぶりだな。海は元気にしているだろうか。』

『本当に浮かれてますわね。』
そういうのは、いつもの服装とは違い、なんとなくファンシーな感じの
ワンピースを着ている桜だった。

『まあ、いいんじゃない?たまには、私たちのお守りを忘れて、
ゆっくり自分のうちで羽を伸ばせばさ。』
と、その後ろにいた乃香が口出しをした。

『そうだよね。まあ、浮かれてる理由はそこじゃないと思うんだけど。』
と美香。
『そうですよ。アマリリスさんは、別に羽を伸ばしに来てるわけじゃないです。
絶対、恋するあの人に…。』
『何か言ったか?』
アマリリスを茶化すリサに、アマリリスが鋭い突込みを入れた。

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★結來★
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性別:
女性
誕生日:
1993/09/23
職業:
高校生
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