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私のイラスト(FFとか、BLEACH、Pandora Heartsが主)や 歌詞(アニソン)もがんがん貼っていきたいと思いますww
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『アマリリス、あなたも立派な隊員になりなさい。』
『はい、お母様。』


――あの会話をしたのは一体もうどのくらい前のことだったか。――



父と母は、A・Dの平隊員だった。
でも、自分の任務にいつも誇りを持っていて、そんな両親がうらやましかった。

生まれも育ちもA・Dの私は、いつも傍に誰かが居るのが当たり前だと思っていた。
両親が居ないときには、両親の友達、両親の隊長、副隊長がいつもとなりに居てくれた。

でも、あのさかいに、私の隣には
    誰も
                            誰も


               いなくなったのだ。



ある任務で、父と母は、いつもの通り、能力者の空間のねじれの警護に行っていた。
私はそのとき、たまたま一人で本を読んでいた。
かえるが、王子様になるお話。
素直にその話は面白かったのだ。

そして、本を閉じたと同時にいつもとなりにいてくれた、あの副隊長が息を切らして部屋に飛び込んできた。

顔を真っ青にし、口を震わせ、私の元へふらふらとやってきたのだ。


『アマリリスちゃん…。今から言うことを落ち着いて、聞いてね。
今日、能力者のねじれが、この雷のせいで増幅し、辺りにいた日とみんなを巻き込んだんだ。
隊はほぼ全滅で、君のご両親も…。』

ふと外を見てみると、いつの間にか雨が降っていて、屋根からしずくが滴っているのが見える。
そして、そのまま視線を彼に戻すと、床が赤くなっているのに気づいた。
ないのだ。手が。  彼のあの、優しかった手が。

『副隊長さん…手…手…!!』

幼かった私は、両親が消えたという見えていない事実より、目の前の血の海に硬直していた。






平隊員のお葬式はないのだと副隊長が言った。
行われたのは隊長のだけで、父と母の式は、影も形もなかった。
ねじれに吸い込まれたため、死体もないのだという。

私の周りに居た人のほとんどが一気に消え、最後の砦だった副隊長も、責任を取って辞めていった。

もう、私の周りからは誰もいなくなってしまった。
あんなに仕事に誇りを持って、出かけていった父や母がなぜ死ななければいけなかったのか。


毎日楽しく読んでいたかえるの王子様の話も全く楽しめない。


私からはもう、何も取らないでくれと何度神に祈ったか。


何日も何日も何も食べず、水も飲まず、ただ副隊長の血がしみ込んだ絨毯を見つめて過ごした。

……そんなときだった。

何かを解放するように部屋の扉が開いたのは。


そこに立っていたのは、私より5歳ぐらい年上の少年。
金糸のような長い髪をした、やさしそうなその人は、私の元へやってきて、
私をやさしく抱き寄せてくれた。

『もう一人じゃないよ。これからは僕が一緒だから。』



私は一生、あの声を、感覚を忘れない。
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『次は私ですわ。』
次は桜である。だが、姉と王子がかぶっているアマリリスはどうするつもりなのだろうか。
完全に最後まで王子でいる気らしい。

『違う…。足が入っておらぬ。』
アマリリスはぎゅうぎゅう足を靴に入れている桜をとめて、
美香を呼び寄せる。

『私もですか…?』
『ああ。履いてみてくれ。』
美香はそうっと足を入れた。もちろん美香サイズに作ってあるのでぴったりだ。

『おお…。あなただったのか。あのときの姫は…。』
『なっ!?シンデレラのはずがありませんわ!!だって、こいつはずっと家に…。』
桜がそういう言葉をさえぎり、美香が王子に言った。

『ええ…。この靴を落としたのは私です。ですが…。本当に私でいいのでしょうか。』
『ああ。私と結婚してくれ。私はずっとあなたを探していたのだ。』
『はい…。よろこんで。先日死んでしまったもう一人の姉もきっと喜んでくださいます。』

どうやら、姉のアマリリスは死んだことにしたらしい。
何というか、もう何でもありだな。

『そして、姫となったシンデレラは城で結婚し、王子と仲良く暮らしました。』

桜はドレスを着たまま、ナレーションをして、お辞儀をした。
それを合図にして、他のメンバーもみんなで礼。
そこで、幕が下りてきて、劇は終わった。

大きな拍手と共に―――――。

     双子の日常!! ~番外編~ シンデレラの巻  完っっ

『ああ…。もう行かなければ…。』
『なぜだ・・・!!』
『私には時間がないのです…。』

そうなのだ。魔女の魔法は夜中の十二時になると解けてしまうのだ。

『さようなら王子様。』
『まて!待たぬか姫!!』
そして、あの名シーン。ガラスの靴が脱げるところ。

今回は失敗しないように階段にはガムテープがついている。
頼もしいことだ。

『ああっ。』
そして、足から靴が脱げて、美香は舞台袖に入っていった。
アマリリスが追いかけてきたときにはもうシンデレラの姿はなく、
階段にガラスの靴が残されているのみだった。

『ああ…。もう一度お会いしたかった。せめて、名前だけでも聞いておけばよかったか。』

一旦すべてのライトが落とされて、舞台の上のものがすべて交換される。


次は王子がガラスの靴を持ってシンデレラの家へ来るシーンである。



コンコンッ。高らかにたたかれたドアの音。
継母役のリサはすかさずドアを開けた。すると、そこには王子のアマリリスと
靴持ちの乃香が立っていた。

『城のものだ。この靴の持ち主を探している。この家に住んでいる
すべての女子に靴を履かせよ。履けた者を私の妻とする。
アマリリスはそういって、乃香に靴を置くように指示する。
乃香はちぇっと舌打ちをして、靴を下に置いた。

『まずは私ですぅ』
リサは勢いよく足をガラスの靴に突っ込んだ。
『…ちがう。』
アマリリスはそういったが、実はこのサイズはリサにもぴったりである。

美香デレラを乗せたカボチャの馬車は(バケツ)ネズミのなるはずだった馬(今はセミ)
に揺られてガタゴトと城へ向かう。そして、だんだん城が見え始めて・・・。

『まあ!なんて素敵な城なのかしら!?』
城に到着。美香デレラは感嘆の声を上げる。
そして、城内へ入る大きな扉を開け放ち…。

『わあ…。綺麗…。』
美香デレラはダンボール作りの壁に向かってそういいました。
そして、城の美しさに見とれていると、後ろから声をかけられました。

『美しいお嬢さん。私と共に踊っていただけないでしょうか。』
つまり、shall we danceなのである。

まあ、そんなことはさて置き、さっと後ろを美香は振り向いた。
さて、やっとここで乃香の登場!!…と思いきや…。


『ア・・・アマリリスちゃん…!?』
なぜかお姉さん役のアマリリスが王子様になっているのである。
これは一体…?

『あの役は性に合わん。この役なら、普段どおりはなせばいいのだろう?この方が楽だ。』
『で…でも…乃香は?何やるの?』
『……最後のシーンのガラスの靴持ち。』
『え…!?』

そんなこんなで、ワルツが流れ、仕方なく美香は、アマリリスと踊ることになった。
しかし、アマリリスの上手いこと上手いこと。

美香は目を白黒させた。

『アマリリスちゃん…、上手いね…?』
『ん…?ああ。よくやったのだ。秘密結社の社交ダンスでな…。男のほうを。』
『え!?男!?』

アマリリスの意外な特技を見つけ、少し驚く。
そして、曲が終わって夜十二時の鐘の音が響き渡る。もちろん効果音である。

それを見ていた美香は、悲しそうにつぶやく。

『嗚呼…。出来ることなら私も舞踏会へ行ってみたかった。
でも、私にはこんな服しか…。』
美香は自分の姿を見てため息をついた。

すると、カラーライトが点滅し、早着替えを果たしたリサが魔女として姿を現す。
『どうしたんですぅ?シンデレラ。私に悩みを言ってみるですぅ。』
リサは先ほどとは打って変わって優しそうに語り掛ける。

『はい…。私もお城で行われている舞踏会へ行ってみたいのです。
しかし、私のこの姿では行くことが出来ません…。』
美香デレラは目を手で覆い、泣き崩れた。

『おお、かわいそうなシンデレラ。では私が魔法をかけてあげましょう。
シンデレラの服を美しいドレスへ!そして足にはガラスの靴を。
大きな馬車にはあそこのカボチャ……ん?』

理沙はカボチャがある筈の場所を見たが、そこには何もない。
明らかに準備のし忘れである。

『え…?じゃあ、馬車は、そうですぅ!シンデレラの持っているバケツがいいですぅ!
で、ねずみを馬に…あれ?』
ねずみ(ミッキーマウス)のぬいぐるみがある筈の所をまたリサは見るが、こっちにも何もない。
これも明らかに忘れ去られているようである。

『おほんっ。馬は…、あ、そこの転がっているセミ!!あれですぅ!!』
きっとあのセミは寿命で死んでしまったセミなのだろう。

理沙はそのセミを持って高らかに叫んだ。
『ちちんぷいぷいのぷーい!!』

すると、乃香、アマリリス、桜の三人が黒い布と馬車などの大きなダンボールを持って出てきた。
そして、美香は黒い布の裏でピンク色のドレスに着替えて馬車の窓から顔を出していった。

『おばあさん、ありがとう!!行ってきます!!』
『ああ。いいんですよ。行ってらっしゃいですぅ!!』
理沙もそう返すと、身を翻して小さな声で言った。

(誰がおばあさんですぅ!?まだ私は15歳ですぅ!!)
真ん中に、一人座った少女、美香がスポットライトで光を当てられる。

けなげな少女シンデレラ。
その座っている少女の服はみすぼらしく、とてもかわいそうに見えました。

『シンデレラ!!終わったのかい!?ですぅ?』
そう言いながら長いドレスを引っ張って出てきたのは、継母役のリサである。
『はい。終わりました。お母様。』
シンデレラは、スカートをはたきながら立ち上がった。

『ふん。そうかいですぅ。でもまだお前には沢山仕事が残っているだろうです?
さっさと終わらせるですぅ!!!』
『あ、はい!お母様!』

そういうとシンデレラは、隣においてあったバケツを持って舞台袖に入っていった。
入っていくのを見終わるとリサは、舞台の真ん中まで歩いてきて、両手を広げてこういった。

『今日は待ちに待った、舞踏会なのです!この新調した魅惑の紫のドレスで
王子様もめろめろなのです!!さあ!アマリリス、チエリ、いきますですよ!馬車が外で待っているのです!
さあ、はやく!!!』

すると、先ほどまでナレーションをしていた桜とアマリリスが、お姉さん役として、
これまた派手なドレスを着て出てきた。

『お母様。チエリはいつでも行けますわ!』
『お…お母様、私も行けます…わ?』
その二人は、その一言だけを言うと、リサと共にまた中に入っていった。
夏の暑さが残るどころではなく、まだ夏なのではないかと思われるほどセミがないている、
カレンダー上では秋のある日。

美香と乃香はいつも通りに学校へ行った。
ただし、いつもより多くの荷物を持って。


その日、文化祭。


『あー。ついに本番だね!乃香ちゃんと持ってきた?』
『持ってきたよっ!いちいち五月蝿いなぁ。もう。』
乃香は、美香に大きなかばんの中を見せる。

中には青色の布と、赤色の布がたたまれずに入っている。
美香は、うっ…。 とでも言いそうな、怪訝な顔をして、中を覗き込んだ。

そうなのだ。
今日の文化祭で美香たちは、有志団体として、体育館の舞台の上で
演劇をすることになっているのだ。

内容はシンデレラ。メンバーは、いつもおなじみの、5人でする。
そして、美香がシンデレラ役、乃香が、王子役をすることになっているのだが…。



ブ――っという音で上げられた幕。その舞台の端に水色の髪の少女、綾野桜が立つ。



『昔むかし、どこかの国に美しい少女がおりました。その少女の名前はシンデレラ。
シンデレラの声は、鳥のさえずりよりも美しく、そのやさしさは女神を思わせるほどでした。』
桜は、いつもの調子でエピローグを語り終えると、すっと舞台袖に入っていった。

そして、照明が消え…。
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年齢:
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性別:
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誕生日:
1993/09/23
職業:
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