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私のイラスト(FFとか、BLEACH、Pandora Heartsが主)や 歌詞(アニソン)もがんがん貼っていきたいと思いますww
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『で、戦いの内容は何なのだ?』
アマリリスがベンジーに問うた。

『ふっふっふ。今回の戦いの内容は、一味違うのにゃ。
なんと…。』
少し間があってから、ベンジーは叫んだ。堂々と。

『まだ決まってないのにゃぁぁぁ!!!!!!』
『そ、そういうことを堂々というなぁっ』
アマリリスは、懐からでかいハリセンを取り出してベンジーをはたく。
今回も、アマリリスのバトルコスチュームは限界知らずの収納度である。

『な…、まだ細かいことまで言ってないのに…。
それには理由があるのにゃ。』

本当ににゃーにゃーと五月蝿いやつだ。
と思いながら、アマリリスはハリセンを折りたたんで元のところに戻す。

『今回はお互いの得意分野を二つづつ出して、それで戦うのにゃ。』
『貴様に得意分野というものが存在するのか?』
『失礼しちゃうにゃぁ。一応私もそういうものは存在するのにゃ。』

ベンジーは鼻を鳴らした。

『さぁてと。じゃあ、私から出すにゃ。私が出すのは、百人一首と、
私のところの隊長のプロフィール言い合いっこ、先に尽きたほうが負け!!だにゃ。』

ベンジーは、胸を張った。

『百人一首なら、日本人じゃないアマリリスは取れないのにゃっ!!なんと、私は、昨日3分の1ぐらい覚えてきたのにゃりよ、ふははははっ』
アマリリスは、ふっと息を吐いた。

『残念だったな。私のほうが日本にいる期間が長いのさ。』

そうなのだ。記憶力がいいアマリリスは、この間あった、全クラス対抗百人一首大会で、見事
優勝した、1年生の優勝者なのだ。
それを知らないベンジーは、いまだにふふふふふと不気味な声で、笑っている。

『そうだな、私は武器の名前を言い合い、先になくなったほうが負け。と言うものと
普通に戦闘と行こうか。』
これなら、アマリリスが負けるはずがない。
と思われた。が、ベンジーの笑いはさらに不気味なものになっていた。

『にゃりん♪戦闘なら、誰にも負ける自身がないのにゃ。武器の名前はしらにゃいけど。』

さて、この戦いどうなるのか。見ものである。
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そして、次の日。

アマリリスは、目まぐるしいほどの目覚まし時計の音を
ばしばしと止めて、いつものバトルコスチュームをまとって家を出た。

向かうのはいつもの学校。
しかし、今日は休みなため、人はいない。
部活も、それぞれの部活によって内容はさまざまだが、
今日は、中止ということになっている。
ベンジーの配慮だろうか。

校門をすっと通り抜けて、そのままアマリリスは校庭に直行。
そこには、いつもの仲間とベンジー。
そして、もう一人の人影。


『あれは―――。』

アマリリスは目を見張った。

『頼さん…?』

そこにいたのは、金髪の髪を少しだけ長く伸ばした、アマリリスの先輩。
そして、それと共に手紙の送り主でもある、

切舟頼だった。

『どうして頼さんがこんなところに…?』
アマリリスは、彼に走りよって、そうきいた。
『上からの命令だよ。見に来たんだ。』
『そう…ですか。』

やさしく微笑む頼をみて、少しだけ心が落ち着く。

そこに、いつものメンバーも集まってくる。

『アマリリスさん…、無理は禁物ですよぅ?』
リサは、やさしく飲み物を渡した。
『こんなことで負けるあなたなんか、見たくありませんわ。…勝ってきてね?』
桜がそういうと、他のメンバーも頷いた。


『お別れの言葉はすんだのかにゃ?』
ベンジーは、その光景を見てアマリリスにたずねた。
見た目は、いつもどおりだが、きっと何かの仕掛けがしてあるだろうバトルコスチュームを
たなびかせて、ベンジーは首をかしげる。

『ああ。来るならこい。返り討ちにしてやろう。』

そして、今、二人の決戦が始まる。
その日は、何事もなかったように過ぎ、ベンジーも
『なんでもないにゃw』
と言って帰っていった。

そして、放課後。


『い…いよいよ明日ですわね…。』
『だいじょうぶかなぁ。アマリリスちゃん。』
『わ…わからないですぅ。』
『まあ、あいつならいけるんじゃねぇの?』

いつもどおりに学校から帰る4人。
まあ、アマリリスはいないのだが。

『じゃあさっ!!一応心配だから、家覗いてみる…?』
『うん…。いいよね?』

そんなこんなで、アミノリをパカッとひらいた美香は、アマリリスの部屋が見られるように
ムービー状態にした。
よくもまあ、これだけ使えるようになったものだと、褒めて差し上げたい。

ジジジ…。という、アクセス音が聞こえ、数秒後。

コンクリート打ちっぱなしの、殺風景な部屋が映し出される。


どうやら、アミノリが乗せられているのは、アマリリスのベットの上らしい。
目の前に映し出されているのは、アマリリスのひざ上、太もも辺りであった。

ガシャコンという、機械的な音がしばらく続き、服の布がすれる音がして、
今、アマリリスが自分のバトルコスチュームに武器を入れたのだと言うことがわかった。
しかし、そこで予想外のことが起こった。

アマリリスが180度回転したのだ。
そして、そのまま視界はどんどん上のほうに上り詰めており…。

アマリリスの顔。
その顔は、疲れ果ててはいるが、いつもの表情をアマリリスは崩さない。

『貴様ら…。覗きとはいい度胸だな。そんなに切り刻まれたいか?え?』

アマリリスは、そんな言葉を吐き捨ててアミノリの電源を切った。


しばしの沈黙。 すこしおまちください。



『…え?』
『きられた?』

コンマ8秒ぐらい遅れてきられたことを確認する4人。
まさか、ばれているとは思わなかったのだ。
きっと、明日のことで頭がいっぱいだと思ったのだ。

ということは、少しはベンジーに負けない自信があるということだ。
そんなことを思いながら、4人は各自の家に
無言で帰っていった。
数日後。
アマリリスの下にある一通の手紙が届いた。


アマリリス殿
あなたの立場からの、信頼度において
裏切り者抹殺隊 隊員 ベンジー・スコッティオとの
『脳を共有する双子』をめぐる
決闘を許可する。

D.A 切舟 頼


内容はこうである。

アマリリスは、自室のベットの上で手紙を読み、その手紙を何かを決意したかのように
握りつぶした。

『…くそ…。』
アマリリスはそうつぶやき、枕を胸に抱き、額を当てた。

『頼さん…。』
アマリリスは悲しげに手紙に書いてあった人物の名を呼んだ。
手紙を見てもわかるように、やはりアマリリスの立場はかなり上のことがわかる。

しかし、この『裏切り者抹殺隊』とは…。



アマリリスはその日、学校を休んだ。
そのことは、アミノリを持つメンバー全員にそれで伝えられた。
明日に控える、決戦の準備をするのだという。


『あ~~~。アマリリスちゃんがいないと、からかいがいがないから、ヒマだね。』
『え?美香さんアマリリスさんをからかってたんですの!?』
『うん。そのつもりだったんだけど。』
『私には、逆にからかわれていたようにしか、見えませんでしたが…。』
『!?』

桜と美香が休み時間のときの話だ。
アマリリスが学校を休むといったのは。

『でもさぁ。戦いって何やるの?』
『わかりません…。だいたい、剣術などだとは思うのですが…。』
『ぬ~~~。』
『おしえてあげよーかぁ?』

美香と桜の間に現れたのは、ベンジー、その人だった。

『え!?ほ…ほんと?』
『うむ~。でも、条件があるのにゃ~。』
『え?』

ベンジーはくるりと二人に背を向けると、いつもとはまったく違う顔を見せた。



『アマリリスを、殺してくれない?』



二人に怖気が走る。
殺す?
二人にも理解できないようなことが、この世界で起きている。

いつもどおり暮らしてきたこの世界で、何か別のことが起きている。

恐ろしい、恐ろしい、世界の変化。
今、なにがおこっているの・・・?

『ふーん。そういうことだったんですか…。』
リサは妙に神妙な面持ちで話を聞く。

『ということは、また戦いですかぁ…。結構疲れるんですよね。あれ。』
『まあな。』

乃香は机に突っ伏したまま返事をする。
『で、まだ何をするかということは何も決まってないんですね…?でも、その、
ベンジーという人が、何の人なのかが未だ掴めないし…。』

『まあな。そもそも、アマリリスもその秘密結社の中でどんな役割を果たしている人間なのかがわかんねぇ。』
『うーん。前に、本人から聞いた話では、武器保管のグループというのに
属しているらしいですね。まあ、グループなんてものは、
機密によって違うものですし…。』

『そうなのか?』
『はい。』
リサがこくんとうなずく。

『クラスによって係などが違うように、機密でも役割はまちまちなんです。』
『はぁ。』

『まあ、アマリリスさんの武器の知識などである程度地位はわかりますが。』
『え!?ちょ…教えてくれないか!!?』

リサは腕組をしてぼそっとささやいた。

『…かなり上のほうです。誰でも名前を知っているような人物と考えても大丈夫なぐらいに。』
『え…?』

乃香は驚いたようにリサをみる。
しかし、それに対するようにリサはしっかりと、乃香を見据えた。

『普段の行動や言動を見ていればわかったはずです。
アマリリスさんは、自らの武器の知識を普通の話に盛り込むという、けっこう高度な話をしていました。
それに、それがそこの秘密結社の『武器保管』のグループにとって当たり前の話でも
アマリリスさんの武器の知識は、豊富すぎます。
それに、持っている量も尋常ではありません。』

『ん…。そういえばそうだな…。』

乃香は腕組をしてつぶやいた。

『そうでしょう?それにあのしゃべり方とかです。位が上になるにつれて、
期間や秘密結社ではその位になるための、研修などを行い、
その位にあった、態度や言葉使いなども習います。
隼人先輩の話では、昔研修に行ったときに、あのような、しっかりした態度や言葉遣いを習ったようです。
それがしっかり定着しているアマリリスさんは、かなりのエリートなのではと…。』

『ああ…。なるほど。そういえば、あたし達のところに来たとき、あたしたちは危険な存在だから
死んでもらっても、連れ去られても困るとか言ってやがったな。』

『そこなんですよ。そんな重大な人たちをそんな、位の低い弱いひとに任せるわけがないじゃないですか。
しかも、隼毅先輩を倒したという実力者。もうこれは、ほぼ確定したといってもよい事実なんですよぅ』

確かに納得の行く話だとは思うが…。
本当にそんなにすごい人だったのだろうか。
あの赤髪の少女は……。

『とにかく、貴様が帰れ。私にはまだここでやることがある。』
『アマリリスさんがやることは、この人たちの護衛だにゃ!!!それは、私が引き受けるのにゃあーー!!』

『では、やりたいことがある。』
『ひねくれもの…。』

アマリリスとベンジーの間に火花が飛び散る。

そこから、数分間ずっと二人でにらみ合っていたが、そこで、桜が
『では、二人のどちらがこの双子さんたちに向いているか。調べればいいじゃないですか。』
といいだした。

『どうやって?』
『たとえばですねぇ…。どちらが強いかとか、どちらのほうが性格があっているかだとか。』
『あ~…。』
美香もそれで納得した。

すると、アマリリスは体をそらせていった。
『ふふん。これで私の勝ちは決まったな。』
その言葉を聴いて、ベンジーは反論する。

『にゃぁぁ!?性格はどうかは知らないけど、強さなら負けないのにゃ。』
『月食の日でも?』
『う…。』

どうやら、狼人は月が出ていないと強くないらしい。
ベンジーは、自分の髪の毛を弄繰り回しながら
『じゃ、じゃーにゃ!!!!ふははははは!!!!』

といって、逃げるようにして部屋を出て行った。



『……なんじゃありゃ。』
これが、今の正直な乃香の気持ちである。

休み時間中に流れてきた、美香の記憶。
少し遅れ気味にだが、美香や桜、そしてアマリリスに起こったことはよくわかった。

……美香の変な思考まで流れてきたりはしたけど。

『ふぁーーー。めんどくさー。』
乃香は、ぐぐぐっと伸びをしていすにもたれ掛った。

『なにがですぅ?』
そう聞きながら乃香のほっぺたをシャーペンでつついたのはリサだった。

『あぁ。リサには話しとかなきゃ、だめだよなぁ。』
『?』
『今な、美香たちのところにアマリリスと同じ秘密結社の奴が来たんだけど、
今までのアマリリスが してくれていた事は、どーやら、結構な頻度で
秘密結社の禁止事項に当たっていたらしいんだ。』

『そうだったんですかぁ!!?』
リサは、驚き、口をかわいらしく押さえた。
『いや、さっき、機関か秘密結社の人が来たなぁ。って思ってたんですよ。』
『へえ。そういうのってわかるんだ。』

乃香は、眠そうにリサを見た。
『はい。どっちの人かはわかりませんが。大抵そういう人たちって
不思議なオーラというか、霊圧というか…。そういうのがあってですね、
機関とか秘密結社の人ならわかるようになっているんです。』

『へえ、べんりなこと。』

乃香はまた欠伸をして、先ほど見たことをそのまま、リサに伝え始めた。

『確かにこれは私が行ったものだが、これはやむ終えずと言うか、なんというか・・・。
しかも、桜が魔法使いだったとは私は知らなかったのだ!!!
しかも、リサは、もう機関を追放された身でだな!!!というわけでちがうし、
こいつ等が連れ去られたのは、・・・・・・まあ、私のミスだが…。
とにかく、こんなものは知らん!!!知らんといったらしらんのだ!!!』

アマリリスはあわてふためきながら、その紙をびりびりに破り、床に捨てた。

『そんなにあわててるとあやしいですにゃ。』
『にゃじゃない!!!にゃじゃ!!!!』

ベンジーはアマリリスを指さして叫んだ。
『そーいうわけで、これから双子さんの保護はあたしがやります。アマリリスさんは、
秘密結社に帰って牢屋に入るです。さあ、帰った帰った。』
『牢屋…!?』

美香が絶句して口を手で覆う。

『ちょっと、アマリリスちゃんは私たちのことを考えて・・・、』
『五月蠅いです。ぶんぶん言わないでください。』

言い訳しようとする美香の口を何らかの魔法でチャックをするように塞いだ。

『むごぉっ』
美香は、無理矢理口を手でこじ開けようとするが、その必死の努力も叶わず、
口も開かない。

もうあきらめたように座った美香は先ほどの正座の姿勢から体育座りの姿勢に変化し、
さらに惨めさを増していた。

『さあ、帰るのにゃぁ!!!!!!!』
ベンジーは、アマリリスの背中を何処に連れて行くのやらといった感じの方向に押しやった。
『ちょ…ちょっとまて。お前にはこいつらは任せておけぬ。』
『なんで?』
ベンジーは歩を緩めてとまった。

『お前、狼人であろう?』
『にゃ?』
どうやら、サルの耳だと思っていたものは、狼の耳だったらしい。
横についてるから無理はないのだが。

『狼人は、満月になると我を忘れるというのを聞いたことがあるのだが、そんな危険なやつに
任せてはおけん。帰るのはお前だ。』
『そ、そんなの何処で聞いたにょっ!?でたらめだにょっ!!!!!というか、逆逆!!!
狼人は満月になると力が上がるのにゃ!!!!!!!!!!!!』

ベンジーはアマリリスをぽかぽか殴った。
濃緑の髪がわさわさ揺れる。

『そんなことはどうでもいい。とにかく、私には帰らなければならない理由などない!!!
帰った帰った。』
『にゃぁ!?』

それをみていた桜と美香は『にゃーにゃー言ってるけど、狼って普通わんわんじゃないのかな。』
とへんなことを思っていた…。

いつもどおりの授業を受けて、休み時間。
そして、また授業を受けて、休み時間。

それを数回繰り返して、今は昼食の時間だった。

美香とアマリリスと桜は、今日は弁当を持ってきていなかったので1階にある食堂を利用することにした。

『そういえばさぁ、私とアマリリスちゃんが会ったのもここだったよね。』
美香は何気なくアマリリスに訊いてみる。しかし…

『……そうだったか?』
『な、何を言ってるの!?もう忘れちゃったの?』
アマリリスはその思い出を頭の中から抹殺していたようだ。

『ほら、私たちを守るとか言い出して、うんだかんだのほにゃほにゃぴーで、』
『ああ、思い出した。』
『そんな説明でよく思い出せましたわね?』

そんなことを話しながら、今日食べたい気分のカツどんA定食を3人は頼んで
適当な椅子に座った。
そして、割り箸をパキッと割ってカツどん定食を食べ始める。

『さっきの話の続きなんだけどさ、アマリリスちゃんが所属してる「機関」の内容ってどんなものなの?』
美香は、ソースをカツどんの上にかけて訊く。

『私が所属しているのは、機関ではなくて「秘密結社」だ。機関とは関係ない。』
『な、何が違うのかな…?』
『よーするによ。』
その話に桜が突っ込む。

『機関は、貴方達や私みたいな特殊な人間を捕まえて売りさばくみたいな仕事をしている所で、
もともとは、リサさんが所属していた類の所ですわ。
で、秘密結社は、その逆で特殊な人間が発見されれば、機関の奴らに売られないように
特殊な人間を守るという仕事に当たるわけなのですわ。
二つは全く別物です。』

『へえ。そうなんだぁ。』
美香は納得したように頷いた。

そのときだった。
『うにゃぁ…。それです…。そのことなんです…。』
『きゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!』

美香の目の前に少し小柄な、緑色の髪の毛をして、サルのようなふわふわの耳をした女の子が
ニョキッと現れた。

おかげさまで美香のカツどんはこぼれて、台無しになってしまった。

『うにゃ。ベンジー・スコッティオといいます…。私、その話で用事があって日本に来ました…。』
その女の子は、ぴょいっと美香の前から飛びのくと、
数回縛宙返りをして、後ろに立った。

『ベンジーちゃん?何かな?ここは、君みたいな中学生が来る所じゃないよ…?』
『中学生じゃないです。秘密結社のものです。』
『秘密結社だと?』
そこに食いついたのは、アマリリスだ。

『確かに、この服は私のところのものだが…。何のようだ?』
すると、ベンジーは懐から一枚の紙を取り出して言ったのだ。

『交代です。貴方と私が。』
『は?』
アマリリスは、何を言っているのかが分からなかったため、ベンジーから
紙をひったくった。

そして、その紙に目を通す。
この紙の内容はこうだった。

‘‘アマリリス・キャルロン・リリー
先日のことは我が秘密結社のものとして、あるまじき失態だという判決が下った。
直ちに荷物をまとめ、基地に戻るよう。

秘密結社幹部 D・A”

『何のことだ?』
アマリリスは、意味がさらに分からんといった表情で、
紙をひっくり返す。
すると、そこにはまだ文字が長々とつづられていた。

‘‘我が秘密結社の敵である機関との交流を持ち、
共に行動いていたことについて。

第83条  違反

守るべき『脳を共有する双子』を守ることが出来ずに
敵に切られ拉致された上に、後で追いかけててきた
『脳を共有した双子』まで拉致されたことについて。

第102条 違反

目的ではない『魔法使い』の保護について。

第257条 違反”

『こんなに・・・。』
アマリリスは愕然としたように紙をベンジーに押し返した。


ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ
バキン!!!!!

乱暴に止められた目覚まし時計。
もうそれは、ゴミと化していた。

『ああ~っっ!!!もう朝か。』
目覚まし時計をプレスした、赤っぽい髪をした少女は、ぐぐっと伸びをして
ベットから飛び降りた。

そして、すばやく制服を着込むと、昨日の夜にテーブルの上に置いておいたパンを
口の中に押し込み、牛乳で流し込んだ。

それがすむと、今度は歯磨きをしながら顔を洗うというとんでもない方法で
身支度を整え、かばんをひったくって家から出て行く。


『…もう時間がないな。』
そう呟くと、少女は強く地面をけり、真っ直ぐ自分の高校のある方向へととんだ。



『あ、おはよー、アマリリスちゃん。』
『ああ。』
アマリリスは、軽く前の席の少女、美香に挨拶をして、席に着いた。

『昨日は大変だったね~。私は何もしてないけど。』
美香が言っているのは、昨日の出来事。

美香のクラスにいる、綾野桜や、美香の双子の乃香。
そして、乃香のクラスメイトのリサ。

このメンバーで昨日、100年間死ななかった、半不死身の隼人と隼毅を
倒したときの話である。


『全くだ。』
アマリリスは、かばんを机の上に置くと、あきれたように言った。
そしてピンク色の携帯電話、アミノリをパカッと開くと
昨日乃香から送られてきた、自分の戦っている姿を
じっと見つめる。

『綺麗に取れてるよね。やっぱり。』
『ああ。ここの私の身のこなしが最高だ。』
『…自己満足ですか?アマリリスさん?』

そう上からかけてきたのは、桜だった。
本当の名は、チエリ・マロク。
代々黒魔術にかかわる第一人者としている、英国貴族なのだ。
そして、その桜は次期主。

『あ、おはよ。桜女史。あ、チエリちゃんって呼んだほうがいいのかな?』
『どちらでもいいですわ。お好きなように。』
『じゃあ、いつもどおり桜女史で。』
美香は、あははと笑いながら言った。

『まあ、どちらでも私であることには変わりないことですし。』
桜は、水色の髪を抑え気味に窓の方を向いた。

『嗚呼、今日も清清しいですわ。』
『おばさんくさっ!!!』
桜が浸っている所をぶち壊したのは、乃香だった。

『なっ!?おばさんくさくありませんわ!!!!』
『やっぱり300年生きてると、見た目若くても中身はおばさんだな。』

『あははは!!!乃香さんひどいですぅ!!!!あははははは!!!!』
横で爆笑したのは、リサだった。

『付き合いきれないな。本当に。』
アマリリスは、自分と美香の周りをピョンコピョンコ跳ね回る
桜と乃香とリサをみて、ふうっと一息ついた。

そのとたん…

むにっ!!!
『!!!』
アマリリスのほっぺたが誰かに引っ張られた。
『コラはなせ!!!』
引っ張ったのは、美香だった。

『ほらほら、そんな顔してたら可愛い顔が台無しですよ~。アマリリスちゃぁん?』
『か、可愛くなんかないッ!!!はなせ!!はなせぇぇ!!!』
『あはは~。』
美香は、ぱっと手を離すと、アマリリスの筆箱を取って、教室内を走り回る。

『あはははは~。とってごらんなさ~い』
『待て返せ!!酔ってんのかこいつ!!!』
美香は、あまり背は高くないので、背の高いアマリリスが捕まえてしまえばこっちのもの。
すぐに、酔っている(?)美香から筆箱を取り返す。

『なんだか、今日は変じゃないか?何があったんだ?』
『ううん。何もないよ?でも、今日はなんと、ななななんと!!!!』
アマリリスはごくりとつばを飲む。
そして、なぜか他のみんなもつばを飲む。

『…何があったんだ?』
恐る恐るアマリリスは聞いた。すると…

『今日はなんと星座占いが1位だったのですッ!!!!』
『そんなことか!!馬鹿者!!!』
美香はニコニコしながら答える。

『しかもね、内容が気になる異性と急接近♥今日は期待してもいいわヨ。なんだよ!!』
『はあ…。』
『でもね、私気になる異性がいないんだぁ~♪』
『なんでいないのに喜んでるんだよ!!!!やっぱり酔ってるんだろ!?』
乃香が突っ込みを入れる。

しかし、その時予鈴のチャイムが学校中に響き渡った。

『あ、予鈴がなりましたわよ!!!!早く向こうに戻りなさい!!!』
桜が叫んだ。
『本当ですぅ!!!後5分で授業が始まるですぅ!!!!乃香ちゃん帰りますよッ』
リサは、傍に居た乃香を引っ張って
教室から出て行った。

『こらーその呼び方をするなぁ!!!』

乃香の大きな声は、先ほどの予鈴と同じように学校中に響きわたった…。
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HN:
★結來★
年齢:
30
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誕生日:
1993/09/23
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