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リサも、桜に別れを告げて、一人でアマリリスの部屋を出た。
『私には気になることがあるですぅ。ちょっと解明してくるですぅ。』
そんなことをいいながら向かったのは、美香と同じ方向だった。
しかし、リサはそのまま美香が曲がったところを通り過ぎて、
先ほどアマリリスの部屋までつれてきてくれた海の曲がっていったほうへ曲がっていった。
『ふっふっふ。海君が急いで着いて行ったあの男の人の謎の解明ですぅ。』
さきほど、海は、例の男の人を見るなり、急に足が速くなり、顔もにこやかになっていた。
リサは、そのことがどうも気になるらしい。
『こっちですかねぇ。』
そして、角を右に曲がる。
出たところは、戦闘隊の副隊長の部屋の前だった。
『あれ?行き止まりですぅ。』
リサは、辺りをきょろきょろと見回すと、抜き足差し足忍び足で
ドアのところまで行き、ドアに耳をくっつけた。
すると―――。
『兄様、今日はどうするんですか?』
『ん…と、そうだな、そういえば、1週間後にまた舞踏会をやるらしい。
あの人も好きだよな。全く。』
『でも…、舞踏会って、男女のペアで出るんじゃ…。』
『ああ…、そうか。お前は年の制限で今まで一度も出たことがなかったんだよな。』
『はい…。』
海と、先ほどの例の男と思しき人物の声が聞こえる。
『別にどっちでもいいらしいぜ。俺は、お前が女物を着ればかわいいと思うけどな。』
『な…、何を言ってるんですか兄様!!』
『舞踏会ですかぁ。いいなぁ。』
リサは、さらにドアに耳をくっつける。
『ふん…。じゃあ、今夜は俺がお前に社交ダンスというものを
手取り足取り、何とり教えてやるぜ…。』
(何とり…!!??)
『あっ……。何してるんですかっっ!!兄様っ』
(うわぁ。もう聞いてられないですぅ!!!)
リサは、いけない妄想をして、その場から身を引く。
『兄様っ!!それは、靴下じゃなくて手袋ですっっ』
乃香は、そういって、いつものメンバーの輪の中から抜けた。
『じゃ、数時間後にここで会おうぜ』
乃香は、別に人見知りとかは激しくないタイプなので、すぐに、
会った人とも友達になれるだろう。
まあ、心配なのは、そこではなく、喧嘩っ早いことなのだが。
ということで、今回は、乃香の話である。
今乃香は、アマリリスの部屋をでて、そのまま直進。
食堂のほうへ来ていた。
『まずは、食い物だよな。食わないと、戦は出来ねえ。』
早速危ないことを口走る。
『金って要るのか?どうなんだろうか。あ、あそこに、変な人発見!!
聞いてみるかぁ。』
本当に、この人の将来が不安である。
『すみませーん。あたし、アマリリスに連れてきてもらったものなんですけど、
食べ物って、ここで、買うんですか?それとも貰うんですか?』
聞き方からして、まずおかしい。
しかし、振り向いた人もおかしい人だった。
『ワ、ワタシ!?私に聴いてるアルネ!?え?ど、どうしよう…。知らない人に話しかけられちゃったアルっ!?』
『ちゅ、中国人…。すげえ、本当にアルって言ってるよ…。』
『違うです。キャラ作りのためネ。』
本当に変な人だ。
ぐるぐるめがねをかけていて、髪の毛はツインテール。
短く結んだ髪をゆっさゆっさと揺らして、おろおろあわあわ。
この人本当に大丈夫か?
と思ったとき、間の悪い変人は、急に自己紹介を始めた。
『ワ、ワタシ、研究隊の副長やってる、リャオ・シェンていいますネ。ヨロシクデス。』
『言い方がいちいち癪に障るんですが…。』
『キャラ作りのためにこういう喋り方してたら、定着してしまったんですヨ…。』
『かわいそうな奴だぁ。てか、副長って…。研究隊の隊長大丈夫かな…。』
乃香は、首をかしげる。
『大丈夫アル!!全部、というかほとんど隊長一人でやってるから、失敗しないアル!!』
『そこ自慢するところじゃねえ。』
『そ、そうですか?』
リャオ・シェンも首を傾げる。
『で、ここの食堂のは、タダなのか、タダじゃねぇのか。そこだけ聞きたいんだが…。』
『あ、自己紹介してもらってないアル!!ワタシもなのったんだから、
あなたも名乗るアル!!』
『そんなことはどうでもいいわっっ!!!』
漫才ごっこ~。はいははい。
みんなは、秘密結社の見学をしにいった。
みんなでばらばらに行動したほうが面白いということで、
個人で回る。
しかし、アマリリスだけは、頼さんに呼ばれたとか何とかで、その場を抜けていた。
本当にわかりやすい奴だとみんな思ったが、
誰も、『顔が赤いよ』とか、『うれしそうだね』とかを言わなくなってきたのは、
アマリリスの反応は、ちっとも代わり映えしないと判ってきたせいだろう。
『じゃ、また後でね。』
美香は、みんなに手を振って、先ほど来た道を逆に歩いていった。
美香がこっちに歩いてきたのには理由がある。
先ほどアマリリスの部屋に来る途中に、裏切り抹殺班の平隊員の小部屋があったのだ。
きっと、どこかにベンジーがいる筈だと思い、美香は、そこまで歩いてきていた。
『ベンジーちゃんどこかな?』
美香は、部屋の一つ一つのプレートを歩いてみて回る。
『あ、これ…?』
美香が立ち止まったのは、二人部屋のところ。
プレートには、『ベンシー・スクラティオ』と書いてあった。
『ま、紛らわしい…。』
ちなみに、忘れてしまった人のために。
ベンジーの本名は、ベンジー・スコッティオである。
そして、しばらく美香の迷いの時間が始まるのだった。
ドアを開けたアマリリスたちを待っていたのは、
小柄な、アマリリスよりも小さい少年だった。
ここの偉い人たちは、シスコン、ブラコンなのだろうか。
とも思ったが、みんなそういうことは場をわきまえて黙っておく。
もちろん、建物の中は、とても豪華で、外から見たのと違和感のないぐらいにマッチしたものだった。
『どうぞ。今、アマリリス隊長の部屋に案内しますね。
あっ、あ、自己紹介…。』
なんだかあわただしいかわいい男の子だった。
『えっと、僕アマリリス隊長の下で働いている、香山海っていいます。
一応副隊長です。よろしくお願いします。』
『ああ、では海、こちらの紹介だ。こっちの髪の毛が長いのが、美香。』
美香がぺこりと頭を下げた。
『で、こっちの髪の毛が長いのが、乃香。』
乃香が、また頭を下げる。
『で、こっちの髪の毛が長いのが、リサ。』
リサがにこりと笑う。
『で、こっちの髪の毛が短いのが桜だ。…お前だけ仲間はずれだな。』
『なっ、五月蝿いですわ!!』
そんなこんなで、五月蝿くしゃべりながら、アマリリスの部屋の前まで海に連れて来てもらった
みんなは、海にそこで別れを告げて、アマリリスの部屋の中に入っていった。
どうやら、海はあわてていたっぽかったのだが、それは、
部屋の角を曲がったときに見た男の人が原因らしい。
見た途端にぱっと顔色が変わって、足の動きも早くなっていた。
これはどういうことだろうか。
『ふう。本当にここも久しぶりだ。』
アマリリスは、そう独り言を言うと、近くのいすのところに荷物を置いた。
他のメンバーは、初めての場所だったので、固まっている。
『ん?早くお前らも荷物を置け。重いだろう。これから、この数日間、ここが私たちの止まる場所になる。
私の部屋だから、遠慮は要らない。べつに、そのベットで飛び跳ねて回ってもいいぞ?
乃香なら私のいないところでやってそうだがな。』
『う、うるせえ!!!』
そういうと、乃香は、対抗意識が出たのか、荷物を、クローゼットの横に置いて、
アマリリスの羽のベットの上で飛び回り始めた。
『はははははっっっ!!!どうだっ!!飛んでやったぜぃ!!』
しかし、乃香が飛んでいるところを見ずに、後ろを向いていた。
『残念だったな。私は飛んでるところを見てないぞ!!』
『な、卑怯者ぉぉぉ!!!』
『何の漫才ですか。まったく。』
桜もそういうと、近くのところに荷物を置いた。
次は桜である。だが、姉と王子がかぶっているアマリリスはどうするつもりなのだろうか。
完全に最後まで王子でいる気らしい。
『違う…。足が入っておらぬ。』
アマリリスはぎゅうぎゅう足を靴に入れている桜をとめて、
美香を呼び寄せる。
『私もですか…?』
『ああ。履いてみてくれ。』
美香はそうっと足を入れた。もちろん美香サイズに作ってあるのでぴったりだ。
『おお…。あなただったのか。あのときの姫は…。』
『なっ!?シンデレラのはずがありませんわ!!だって、こいつはずっと家に…。』
桜がそういう言葉をさえぎり、美香が王子に言った。
『ええ…。この靴を落としたのは私です。ですが…。本当に私でいいのでしょうか。』
『ああ。私と結婚してくれ。私はずっとあなたを探していたのだ。』
『はい…。よろこんで。先日死んでしまったもう一人の姉もきっと喜んでくださいます。』
どうやら、姉のアマリリスは死んだことにしたらしい。
何というか、もう何でもありだな。
『そして、姫となったシンデレラは城で結婚し、王子と仲良く暮らしました。』
桜はドレスを着たまま、ナレーションをして、お辞儀をした。
それを合図にして、他のメンバーもみんなで礼。
そこで、幕が下りてきて、劇は終わった。
大きな拍手と共に―――――。
双子の日常!! ~番外編~ シンデレラの巻 完っっ
『ああ…。もう行かなければ…。』
『なぜだ・・・!!』
『私には時間がないのです…。』
そうなのだ。魔女の魔法は夜中の十二時になると解けてしまうのだ。
『さようなら王子様。』
『まて!待たぬか姫!!』
そして、あの名シーン。ガラスの靴が脱げるところ。
今回は失敗しないように階段にはガムテープがついている。
頼もしいことだ。
『ああっ。』
そして、足から靴が脱げて、美香は舞台袖に入っていった。
アマリリスが追いかけてきたときにはもうシンデレラの姿はなく、
階段にガラスの靴が残されているのみだった。
『ああ…。もう一度お会いしたかった。せめて、名前だけでも聞いておけばよかったか。』
一旦すべてのライトが落とされて、舞台の上のものがすべて交換される。
次は王子がガラスの靴を持ってシンデレラの家へ来るシーンである。
コンコンッ。高らかにたたかれたドアの音。
継母役のリサはすかさずドアを開けた。すると、そこには王子のアマリリスと
靴持ちの乃香が立っていた。
『城のものだ。この靴の持ち主を探している。この家に住んでいる
すべての女子に靴を履かせよ。履けた者を私の妻とする。
アマリリスはそういって、乃香に靴を置くように指示する。
乃香はちぇっと舌打ちをして、靴を下に置いた。
『まずは私ですぅ』
リサは勢いよく足をガラスの靴に突っ込んだ。
『…ちがう。』
アマリリスはそういったが、実はこのサイズはリサにもぴったりである。
に揺られてガタゴトと城へ向かう。そして、だんだん城が見え始めて・・・。
『まあ!なんて素敵な城なのかしら!?』
城に到着。美香デレラは感嘆の声を上げる。
そして、城内へ入る大きな扉を開け放ち…。
『わあ…。綺麗…。』
美香デレラはダンボール作りの壁に向かってそういいました。
そして、城の美しさに見とれていると、後ろから声をかけられました。
『美しいお嬢さん。私と共に踊っていただけないでしょうか。』
つまり、shall we danceなのである。
まあ、そんなことはさて置き、さっと後ろを美香は振り向いた。
さて、やっとここで乃香の登場!!…と思いきや…。
『ア・・・アマリリスちゃん…!?』
なぜかお姉さん役のアマリリスが王子様になっているのである。
これは一体…?
『あの役は性に合わん。この役なら、普段どおりはなせばいいのだろう?この方が楽だ。』
『で…でも…乃香は?何やるの?』
『……最後のシーンのガラスの靴持ち。』
『え…!?』
そんなこんなで、ワルツが流れ、仕方なく美香は、アマリリスと踊ることになった。
しかし、アマリリスの上手いこと上手いこと。
美香は目を白黒させた。
『アマリリスちゃん…、上手いね…?』
『ん…?ああ。よくやったのだ。秘密結社の社交ダンスでな…。男のほうを。』
『え!?男!?』
アマリリスの意外な特技を見つけ、少し驚く。
そして、曲が終わって夜十二時の鐘の音が響き渡る。もちろん効果音である。
次回は、もう見たとおりにアマリリスの家である秘密結社に遊びにいっちゃいますよ!!
で、今回は、アマリリスの正体がわかったわけですが、
別に以外でもなんでもなかったというのがもう。本当に自分の力のなさを感じます。
出会ったときから、何かの品格をムンムンさせてましたからね。
次は、何をしでかしてやろうか。
考え中です。
とにかく、過去のアマリリスも出てきたことだし、それがいったい次の話にどうやって生かせていけるかが
今後の課題ですかね。
あれを入れた理由は本当に悲しい理由で、
『もう書くことに行き詰っちゃったから、昔のことでも入れてページの埋め合わせをしてみようかな。』
程度なんですよ。
この第3話が一番手間取りました。はい。
では、次回また会いましょうか。さようならっ。
せんな
赤茶色の髪の少女、アマリリスが、大きく両手を広げて叫んだ。
『す、すごく…大きいね…。』
『だろう。それが、私たちの自慢の一つでもあるのだからな。入るぞ。みんなが待っている。』
そして、一緒にいたほかの4人と一緒に、アマリリスは
大きな建物の中に入っていった。
美香たちが通っている高校は、夏休みに入った。
まあ、何の楽しみもなく終わっていくはずの夏休みも、今回の初めての高校ライフの
夏休みは楽しみがありそうだ。というかあるのだ。
夏休みの少し前、頼というアマリリスの勤める秘密結社の幹部から、
夏休みに遊びに来ないかというお誘いが来た。
それに飛びついたのは、どういうわけかそこに勤めている本人なわけだが、
理由は第3話を見ている人ならわかるだろう。
(見てない人は読みなさい。)
『ああ…。秘密結社に帰るのも久しぶりだな。海は元気にしているだろうか。』
『本当に浮かれてますわね。』
そういうのは、いつもの服装とは違い、なんとなくファンシーな感じの
ワンピースを着ている桜だった。
『まあ、いいんじゃない?たまには、私たちのお守りを忘れて、
ゆっくり自分のうちで羽を伸ばせばさ。』
と、その後ろにいた乃香が口出しをした。
『そうだよね。まあ、浮かれてる理由はそこじゃないと思うんだけど。』
と美香。
『そうですよ。アマリリスさんは、別に羽を伸ばしに来てるわけじゃないです。
絶対、恋するあの人に…。』
『何か言ったか?』
アマリリスを茶化すリサに、アマリリスが鋭い突込みを入れた。
高校生活最初の夏休み。
アマリリスは、先ほどみんなに見せた、頼からの手紙をもう一度広げて、
目で読んでみる。
でも、アマリリスが先ほどから読んでいるのは、上のほうではなく、下のほうだった。
その下のほうに書いてある文章は、パソコンで書かれている文字とは違う、
手書きの文章。
『親愛なるアマリリスへ
この間はご苦労様でした。
そういえば、日本ではもうそろそろ、夏の休暇に入るそうだね。
この間、後ろにいた4人と一緒に
久しぶりに秘密結社に帰ってきてみないか?
ちょうど、こっちではシーズンがきてるんだ。
今年も一緒に踊れるといいね。』
アマリリスは、もうこの文章だけでも100回は読んでいるに違いない
というぐらいに目を高速で動かして読んでいる。
ちなみに、このシーズンというのは、舞踏会のシーズンという意味である。
そして、その手紙に同封されていたのは、飛行機の席のチケットと、ここに向かうまでの地図。
アマリリスには必要ないが、きっとこれは他の人用だろう。
『頼さんありがとう・・・!!』
アマリリスの心はお花畑である。
『早速みんなに予定を聞いてみなくては。』
そういって足早にアマリリスは自分の机を立ち、美香のほうへ行く。
『美香、夏休みヒマか?ついでに乃香も。』
『え?なんで?』
美香は、いつもの早弁をしながら、アマリリスのほうをむいた。
『頼さんが…っ!!頼さんが、秘密結社にご招待してくださっているのだ…っ!!』
アマリリスの、ものすごくうれしそうな顔を見て、美香は、うん。と言わざるを得なかった。
そして、桜も、同じような状況に陥り、美香のテレパシーで、そのことを知った乃香がリサに聞き、
また乃香から美香に返事が返ってきたところで、みんなが
暇人だったと言うことがよくわかった。
『では、夏休みの初日から秘密結社に遊びに行くから、準備をしておけよっ!!』
アマリリスは、本当に上機嫌で、いつもならしないはずのスキップまでして、
自分の席に着いた。
『本当に、乙女になっちゃって…。』
『はは…。』
双子の日常!!3 完っっ★☆★
月曜日。
また、新たな一週間が始まる。
『おはよー。』
『おーす。』
『おはよーですぅ。』
『おはよう。』
『おはようございます。』
なぜか、校門前で五人が一緒になるという、漫画的なパターンの謎は置いておいて。
『この間は、本当にご苦労様ですぅ。』
『ああ。あの後に、頼さんから、別の手紙が届いた。』
『どんな?』
『これだ。』
アマリリスは、その届いたと言う、高級そうな紙に書かれた手紙を、ぱっと広げる。
その内容とは
『アマリリス・キャルロン・リリー武器管理隊隊長及び、幹部補佐様。
今までの今までの違反行為は、都合上仕方がなかったこととして処理することとなりました。
これからも、『脳を共有する双子』の監視等をよろしくお願いします。
そして、機関のものとの交流や、共に行動していたことについては、
そのものが、その機関から追放されていたことがわかりましたので
我が秘密結社の力となるようならば、これからも共に行動する様にとその者に伝えておいてください。
そして、対象外である『魔法使い』の保護についても、『脳を共有する双子』と共に
保護できるようであれば、保護のほうをよろしくお願いします。
A・D幹部 切舟 頼』
『本当ですかぁ?!私もなんですか?!』
『私たちのことは、あまりかかれてないのね?』
『だな。』
『私も保護の対象ですか…。』
『まあ、そういうことだ。これからも迷惑をかけると思うが、よろしくな。』
アマリリスは、その紙を、くるくると丸めながら言った。
みんなが、縦に首を振ったのを確認すると、アマリリスはみんなを引き連れて
校内へと入っていった。
カキンッ
金属音が、グラウンドにこだまする。
『44MAGか…。シャドウが昔愛用していたタイプの。』
『はい。名前がわからなかったんで、探すのに苦労しました。』
『ふん。ご苦労なことだ。』
そういって、アマリリスは大太刀を振りかざしてベンジーのほうに向かっていく。
それに対抗して、ベンジーもアマリリスに向かって何発か撃つが、見事にすべてかわされる。
そして、アマリリスの大太刀が振り上げられ・・・
ボスッ
という鈍い音と共に、ベンジーの銃は土の上に落ちていった。
『刀と銃なら、普通は銃のほうが勝つんだがな。まだ経験不足なんだろう。
もっと戦いの経験をつめば、強くなるはずだ。』
『…ありがとうございました。』
アマリリスは、地面からベンジーの銃を拾うと、ベンジーに手渡す。
これで、すべての戦いが終わった。
『今まで、なんだか色々とありがとうございました。楽しかったです。』
『ああ。また会えるといいな。気をつけて帰れよ。』
『はい。』
そう言いながら、ベンジーは帰りの支度を始める。
『では、僕も結果報告しないといけないから、そろそろ帰るよ。久しぶりに会えてよかった。
昔のことを思い出したよ。』
頼も、さっさと荷物をまとめて帰ろうとしている。
『あの、頼さん…。』
アマリリスは、荷物を持って、学校から出て行こうとしている頼を引き止めた。
『ん?何?』
『今度、行けたらでいいんですけど…。あの、一緒に二人で依頼受けられませんか?
あの、最後の依頼から、一回も一緒に行った事がなかったので…。』
アマリリスは、顔を赤らめていった。
それを見た頼は、微笑むと、アマリリスの頭を軽くなでていった。
『そうだね。そういえばまだ一緒に行ったことなかったよね。
二人とも、結構上の立場になっちゃったから、行くのは難しいかもしれないけど、
いければ。』
『…はい!!!!』
『青春ですわね~。』
『青春だね~。』
『青春ですぅ~。』
『青春だぜ~。』
後ろにいる、お気楽メンバーは、その状況をにまにましながら、見守っている。
『じゃあ、また会える日まで。』
『秘密結社内であったら、声かけますね!!』
別れの声をかける二人に、こくんとアマリリスが頷くと、
二人は学校の門からすっと出て行った。
だって、私、武器の正式名称なんかまったく知らないんですもん。
銃は、どんな大きさとかでも銃ですし。』
『本当に、自分の使ってる奴の正式名称も知らないんだな…。』
結果は、やはり、アマリリスの圧勝だった。
ベンジーは、本当に何も知らなかったらしい。
『御見それしました~。』
『ふん。まあ、最初から、負けるとは思ってなかったからな。
それよりも、このゲームで、私の勝ちが確定したわけだが、次も、やるのか?』
次は、戦闘である。
『そうですね…。どうします?』
ベンジーは、腕を組んでアマリリスにたずねた。
『私は別にいい。まあ、これでお前は帰るわけだが、帰ったら隊長と手合わせすることもなくなると思うから
一度やってみてもいいと思うが。暇つぶしにもちょうどいい。』
『じゃ、じゃあよろしくお願いします!!』
『ああ。結果などは、私からシャドウの奴に伝えておいてやろう。』
『ありがとうございます!!』
ベンジーは深々と頭を下げた。
『この数日間、ずっと自分の後ろをついてくる気配がなくなって、シャドウも、犯人を確信したと思うがな。』
『きゃぁぁぁぁっっ!!そんなひどいことを言わないでください!!』
『ふん。ではいいか?始めるぞ。』
『はい。』
ルールは、武器はいくつでも使用可。
自分から白旗をあげるか、倒れたら、ゲーム終了。
そして、二人は武器を構える。
アマリリスはいつもの、大太刀。
ベンジーは、銃を構える。
そして、頼が二人の間へ歩み寄ってきて、始まりのスタートの合図をした。
第4回戦、戦闘。
スタートッ
その後、秘密結社の服を見につけたアマリリスは、頼と共に秘密結社へと帰っていった。
ちなみに、そのターゲットの女の子は、しっかり隊員のうちの一人を護衛につけておいてきたという。
ある日、隊長と副隊長のこれからの行動について話し合った直後、
二人のもとに、一枚の手紙が届いた。
『重要な話を、ただいまから会議室で、上官二人に話をします。
隊長、副隊長二人そろって、3階にある第1会議室まで来てください。』
高級な紙にそう綴られた紙を見て、アマリリスは、なんだかいやな予感がした。
会議室に着いた二人は、戦闘隊と書かれたテーブルの横に二人並んで座る。
そして、次々に入ってくる人を見やって、
『何が始まるんだろう。』
などと、話していると…。
『ただいまから、会議を始めます。』
そういって、当時の幹部である、フェリオネル・マージュリーが一番前に立った。
いつもなら、長が立つはずなのに、今日はなぜか幹部である。
『えー、今朝、残念なことに秘密結社長がお亡くなりになりました…。』
周りがざわめく。
『なので、ただいまから、新しく各隊の隊長、副隊長、幹部を決めなおしていきたいと
思い、皆様には集まっていただきました。
そして、今日から秘密結社の長となりました、フェリオネル・マージュリーです。
よろしくお願いいたします。』
意識が遠のいた。
――ということは、もう、頼さんと一緒にミッションに行けないということ――
それがわかったアマリリスは、心底、暗い気持ちになった。
しばらく、誰がどこの隊への移動をするかが話し合われ、まず
記憶力のよさから、アマリリスが武器長となり、
頼が幹部となった。
そして、戦闘隊長には頼の妹である、切舟美波が。
副長には、新しく上がってきた、香山港が。
研究隊隊長には、いままで副長だった、ロムナス・ジニーが。
副長には、ぐるぐるめがねのリャオ・シェンが。
司令塔隊隊長には、わずかながらも10歳でここまで上り詰めた、ラム・ゴールドが。
その副長には、しっかりとしたサポート役を。ということで、姉御肌のマリア・ローズが。
裏切り抹殺隊には、昔から副長だったシャドウ・クローネが繰り上げられて隊長となり、
副長には、豹だが、人語が話せる、二股の尾を持つ、ライルがなった。
回復隊隊長には、昔から能力に長けていたマルチ・ジョリーがなり、
副隊長には、昔、他の機関に入っていたという、メイ・リンがなった。
そして、アマリリスの部下である、武器管理副長には、
戦闘隊副長となった、香山港の弟の、香山海がなった。
『よろしくな。』
『よろしくお願いします。』
この一言だけを交わし、新しく席に着いた一同は、前に立つマージュリーを見る。
そして、その横に立つ頼を見て、また視線をマージュリーに戻した。
もう、これで、頼さんとは会えない。
そう思っただけで、悲しくなる。
まだ一度も二人でミッションに出かけたことがなかった。
昔の長が死んでしまったことよりも、そちらのほうがよほど悲しかった。
そして、今の隊長の中から、幹部補佐を出すことが決まる。
今まではそういう制度はなかったが、今回から導入されるらしい。
そうと決まったアマリリスは、思いっきりよく手を上げた。
少しでも、頼を助けられるのなら、このぐらいの仕事はすべてこなしてやろう。
そう、思ったからだ。
案の定、頼の指名も元々アマリリスだったようで、簡単に幹部補佐が決められた。
幹部補佐の仕事が何かは知らないが、まあ、何とかなるだろう。
そう思ったが、本当はそんなに甘くはなかった。
2年後。
初めての幹部補佐としての仕事が舞い降りた。
『はい、これ。がんばってね。』
そういって、手渡されたよりの封筒から、仕事内容の書いた紙を取り出した。
内容は日本にいる、脳を共有する双子の警護に当たってほしいとのことだった。
思った以上に簡単そうだったが、実はそうでもないらしい。
『双子のアビリティ能力者は、世界で初めてなんだ。
だから、機関のやつらが、二人を狙ってくるかもしれない。
だけど、二人だから、守る力も必要になってくるんだって。
さらにこのアビリティは、いくら昔の情報を探しても、掲載されていないらしい。
まったく新しい能力だそうだ。だから、この能力がどのような能力なのか調べて、
僕のほうに連絡して教えてくれ。できるか?』
頼は、手短に今回の以来の難しさ、重要さを語った。
『できるか?じゃなくて、やるんですよ。…がんばってきます。』
『ん。本当に心強いね。がんばってね。』
『はい。』
アマリリスは、勢いよく返事をした。
『今回のターゲットは、日本のここ。ここにいるようだ。
昔から、そんな気配はあったらしいが、能力が周りに影響をまったく及ぼさないため、
今まで詳しい消息がわからなかったらしい。
で、ここ最近の二人の能力の力が増大しているらしい。
もしかすると、二人の間で起こった何かの記憶の電波の容量がオーバーし、
世界の崩壊にまで及ぶ、大爆発にまで発展するかもしれない。
本当に、気をつけて。』
頼は、アマリリスの手にしっかりと封筒を握らせると、正面玄関に送りだした。
そして、今に至る。
『そんなこともあったな。』
アマリリスはしみじみと言った。
『なにかいいました?』
隣にいたベンジーが聞き返す。
『いいや。何も。にしても、暢気なものだな。あの二人は。』
そういって、アマリリスは体育館の後ろのほうで遊んでいる二人を見やった。
二人を見ていると、本当に世界の崩壊など起きるのか?とも思ってくるが、
頼が言ったことなので、アマリリスは信じる。
『じゃあ、ゲームを始めようか。』
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